水は毎日飲むものだからこそ、体にいいものを取り入れたいですよね。
天然水やミネラルウォーターが飲めるウォーターサーバーや水素水、炭酸水などさまざまな水が注目を集めるなか、蒸留水の人気が急上昇しています。
蒸留水はミネラルウォーターや天然水などの他の水に比べ、純粋な水(純水)に近く、不純物も少ないとされているため、健康に気をつけたい方に評判となっています。
とはいえ、市販で広く流通しているわけではなく、なかなか手に入らないといった意見もあるでしょう。
そんなときに、蒸留水を簡単に手作りできるとすれば、作らない手はありませんよね!
そこで今回は、自宅で簡単にできる蒸留水の作り方をご紹介します。
自宅にあるもので簡単に蒸留水を作れる方法や、ハーブを用いた応用編の蒸留水についてもご紹介するので、この記事を読めばあなたの飲み水が一変しますよ!
もくじ
蒸留水とは
水道水を蒸発させた水蒸気を冷やし、液化させたものが蒸留水です。
一度水蒸気にすると不純物が取り除かれるので、比較的純度が高いきれいな水になります。
注意すべきは、水蒸気が冷えてできた水だということ
注意すべきは、水蒸気が冷えてできた水なので、どうしても空気中の不純物が含まれてしまう点です。
液化するときに空気中の不純物を含んでしまうので、比較的純度が高いものの純度100%にはならないのが難点となります。
とはいえ、水道水や純水に比べても、純度が高いのが蒸留水の特徴です。
蒸留水を飲むメリット・デメリット
多くの人がこぞって愛飲する蒸留水。
それだけの人を引き付ける蒸留水には、一体どんなメリットがあるのでしょうか?
また、メリットばかりが注目される中で、蒸留水にデメリットはあるのでしょうか?
では早速、それぞれについてみていくことにしましょう。
蒸留水を飲むメリット
不純物がほとんど含まれていないことが、蒸留水が支持される理由のひとつです。
からだにとって、不要なものの中には、少なからずの悪影響を与えてしまう物質もあります。
しかし、そんな不純物が少ない蒸留水であれば、からだに取り込まれる不純物を最小限に抑えることができるので、不要な負担を軽減することにもつながるでしょう。
蒸留水を飲むデメリット
次に、蒸留水を飲むデメリットをご紹介します。
美味しくない
蒸留水は作る過程で一度蒸発させて水蒸気にします。
このときに水蒸気はH2Oとなり、ほかのミネラルや元素を含む余地を作りません。
蒸留水を作るには、水蒸気を再び液化させる必要がありますが、液化する時点で蒸留水に他のミネラルや元素は含まれず、ミネラルウォーターのような特有の風味はありません。
ミネラルウォーターのように味に期待はせず、「そういうものだ」と受け取るようにしましょう。
市販の蒸留水は高額
蒸留水は自作すれば安価で済ませられます。
しかし市販の蒸留水を購入しようとすると、金額が一気に跳ね上がるため、決して経済的とはいえません。
たとえば、ウォーターサーバーに使うような20Lのバックインボックスの場合、天然水が2,000円前後で買えるところを、蒸留水では倍の4,000円近くが必要になることもあるでしょう。
この価格差はバックインボックスに限らず、2Lペットボトルにおいても同様にいえます。
市販の蒸留水は決して安いものではないので、飲み続けるにはある程度の経済的な余裕が必要です。
自宅でできる蒸留水の作り方
ここからは、具体的な蒸留水の作り方を3通りご紹介します。
必要な道具や所要時間が大きく異なるので、ご自身の生活スタイルに合うものを選んでください。
作り方1:キッチンにあるもので簡単に作る
まずは多くのご家庭のキッチンにあるものだけで蒸留水を作る方法をご紹介します。
具体的な流れは、以下の5ステップとなります。
- 鍋に水と蒸留水を受け取るボウルを入れる
- 沸騰しない程度に水を加熱する
- 鍋の蓋を裏返して鍋に乗せ、蓋に氷水を入れる
- 氷水は溶けて温くなったら交換
- 必要な量ができるまで繰り返す
また、必要な道具は以下の3つとなります。
- 蓋つきの鍋(深さがあるもの)
- 鍋に入る大きさのボウル
- 金網やベーキングラック
手順1:鍋に水と蒸留水を受け取るボウルを入れる
まずは、鍋に「水」と「蒸留水を受け取るボウル」を入れます。
このときのポイントは、鍋底に金網またはベーキングラックを敷くことです。
これは、ボウルの底が鍋底と直接触れるのを防ぐために行います。
ボウルの底が鍋底に触れると、特にガラス製のボウルの場合はボウルが割れてしまう恐れがあり、大変危険です。
また鍋に入れる水の量は、ボウルが浮かない程度の量にしましょう。
手順2:沸騰しない程度に水を加熱する
鍋を火にかけて水を加熱します。
沸騰しない程度に水を加熱し、沸騰し始めたら火を弱めてください。
沸騰していなくても、ボウルの中に水が入ってしまいそうなときは火を弱め、水が入らないようにしましょう。
この状態で沸騰させると、水蒸気を液化されず、ただの水蒸気として空気中に飛んでいってしまいます。
手順3:鍋の蓋を裏返して鍋に乗せ、蓋に氷水を入れる
水が沸騰し始めたら、鍋の蓋を裏返して鍋の上に乗せ、鍋を密閉します。
蓋の上に氷水を入れ、蓋の近くまで上がってきた水蒸気を一気に冷やし、液化させましょう。
こうすると、蒸留水が出来上がります。
手順4:氷水は溶けて温くなったら交換
時間が経てば氷は溶け、水は温くなります。
氷や水は頻繁に交換し、鍋の中の水蒸気を冷却できる状態を作りましょう。
冷却されなければ蒸留水ができないので、冷却装置の温度は水蒸気のできる早さに直結します。
手順5:必要な量ができるまで繰り返す
あとは、必要な量の蒸留水ができるまで、ひたすら氷水の交換を繰り返します。
蒸留水が足りない場合は水を継ぎ足しながら必要な量をためてください。
水を継ぎ足すときは、蒸留水の入ったボウルに水が入らないように気をつけましょう。
必要な量の蒸留水がたまったら、蒸留水が入ったボウルを火傷に気をつけながら取り出し、蒸留水が冷めたら完成です。
作り方2:蒸留水器やチューブを使う
続いてご紹介するのは、蒸留水を作る専門の道具を用いた方法です。
この作り方の具体的な流れは、以下の5ステップとなります。
- 片方のボトルに水を入れ、もう片方とチューブで繋ぐ
- 水が入ったボトルを火にかけ、沸騰させる
- 水が入っていないボトルを冷却する
- 氷水や保冷剤は溶けて温くなったら交換
- 必要な量ができるまで繰り返す
鍋とガラスのボトル2本が必要で、そのうち1本はチューブに繋がっているものを選びましょう。
もし2本ともチューブに繋がっていなければ、ボトルの口を外側から覆える太さのチューブを用意してください。
チューブの長さはそれほど要りません。
専用の蒸留水器を使う場合は、他に特別な道具は不要です。
手順1:片方のボトルに水を入れ、もう片方とチューブで繋ぐ
片方のボトルに水を入れ、もう片方とチューブで繋ぎます。
チューブとボトルの結合部は手で持つと火傷の恐れがあるので、ダクトテープなどの湿気に強いテープで結合部を巻き、外れないようにしてください。
専用の蒸留水器を使う場合は、テープでの補強は不要です。
手順2:水が入ったボトルを火にかけ、沸騰させる
ボトルを入れた鍋に水を入れて、火にかけます。
水の量はボトルが浸るほどの多さです。
今回は先述のボウルを使った方法と異なり、鍋に入っている方の水は沸騰させる必要があり、ボトルと鍋底が接しても大丈夫です。
手順3:水が入っていないボトルを冷却する
沸騰してきたら水が入っている方のボトルを、水が入っていないほうのボトル側に傾けましょう。
そうすると、空のボトルに蒸気が集まりやすくなります。
傾ける角度は、およそ30°です。
蒸留水器を使う場合は、水が入っている方の蒸留水器を傾ける必要はありません。
鍋の水が沸騰してきたら、空のボトルに保冷剤や氷嚢などを当てます。
こうすると、先述の鍋蓋の上に氷水を入れるのと同様の効果が得られ、水が入ったボトルから移動してきた水蒸気が冷却され、蒸留水ができあがります。
手順4:氷水や保冷剤は溶けて温くなったら交換
氷水や保冷剤、氷嚢の中味は溶けたり温かくなったりしたら頻繁に交換しましょう。
冷却によって、蒸留水が早く完成するためです。
手順5:必要な量ができるまで繰り返す
あとは、必要な量の蒸留水ができるまで氷水の交換を繰り返します。
蒸留水が足りない場合は、鍋に入れる水を継ぎ足しながら必要な量の蒸留水を確保しましょう。
必要な量の蒸留水がたまったら、蒸留水が入ったボトルが冷めるのを待てば完成です。
作り方3:雨水をためる
最後にご紹介するのは、まさかの雨水を貯める方法です。
この作り方の具体的な流れは、以下の2ステップのみとなります。
- 清潔な容器に雨水を貯める
- 数日間容器を屋外に放置
また必要なものは、清潔な容器の1点だけです。
作り方はとてもシンプルで、清潔な容器に雨水を貯めるだけ。
そのあとミネラルを除去するために数日間容器を屋外に放置すれば完成です。
手順1:雨は蒸留水の一種
雨水をためるだけで蒸留水ができる理由は、雨そのものがすでに蒸留水だからです。
雨ができるメカニズムを説明すると、まず太陽の熱で川や海の水が温められて蒸発します。
蒸発した水分は、水蒸気になって空気中を上り、上空の気温が低いところへと流れていくものです。
■ 雲のメカニズム
上空の水蒸気が液化して雨になる…のではなく、空気中の塵と水蒸気が結びつき、水や氷の粒ができます。
この粒の集合体が雲です。
■ 雨のメカニズム
地上の水が蒸発して空に水分が溜まると、上空の空気中でキープできなくなったものが、液化して地上に落ちてくるのです。
これが雨です。
このように、雨になる過程で蒸発と液化を経ているので、雨は蒸留水の定義を満たしているといえます。
手順2:そのまま飲むのは危険
ただし、雨水は地上に降りてくるまでに空気中の汚れを含んでいる可能性が高く、数日間放置するときにも塵やホコリを含んでしまう恐れがあります。
そのため、残念ながら雨水で作った蒸留水は清潔できれいな水とはいえません。
雨水で作った蒸留水を飲むのは、完全に自己責任でお願いいたします。
雨水で作った蒸留水を飲む際は、念のため加熱処理をして、冷ましてから保存容器に入れるようにしましょう。
また、雨水をためて蒸留水を作る方法は、雨天時でないと蒸留水を作れないので、好きなときに作れないデメリットもあります。
応用編:ハーブを使う作り方もGOOD!
先ほどご紹介した蒸留水器やチューブを使う蒸留水の作り方には、応用編としてハーブの水分を用いて「ハーブウォーター」を作る方法もあります。
ハーブで作った蒸留水は、
- 「フローラルウォーター」
- 「芳香蒸留水」
- 「ハイドロゾル」
- 「アクアロム」
など、呼ばれる名前はさまざまです。
作り方はボトルに入れる水をハーブに置き換えて蒸すだけなので、上記にない特別な手順を踏む必要はありません。
蒸したハーブからできる水溶性の液体がハーブウォーター
ハーブウォーターは、植物を蒸して気化させた精油成分を冷ましてできた液体のうち、水溶性のものを指します。
脂溶性のほうはエッセンシャルオイル(精油)で、原材料のハーブに含まれる多くの成分はエッセンシャルオイルに集まります。
そのため、ハーブウォーターはエッセンシャルオイルに比べると、成分や香りが弱い傾向にあるのです。
ハーブウォーターとエッセンシャルオイルは、ハーブを蒸す工程で分類されるので、同じハーブを原材料にしているからといって、成分が一致するわけではありません。
人気のハーブは紅茶に使われているもの
ハーブウォーターに用いられるハーブには、さまざまな種類があります。
メジャーなものとしては、カモミールやラベンダー、ローズといった紅茶でもおなじみのハーブが挙げられます。
こういった普段の生活でもよく目にするハーブだからこそ、ハーブウォーターは人気を集めているのでしょう。
ハーブはネット通販などでも安く手に入るので、さまざまな種類を試して、お気に入りのハーブウォーターを見つけてみても楽しいかもしれませんね。
蒸留水を作るのが面倒なら
蒸留水について、いくつかの作り方を紹介してきましたが、ここまで読んできて、
と感じた方もいるのではないでしょうか。
お伝えしてきてなんですが、身近にあるものを利用して蒸留水を作ることは、ハッキリといって面倒な作業です。
このように面倒に感じる方は、
- 「RO水を提供するウォーターサーバー」
- 「水道直結型ウォーターサーバー」
を利用することで、手間を大きく削減でき、その問題も解決できるでしょう。
■ RO水とは
RO水とは、極めて超微細なフィルターを利用することで、ミネラルを含む不純物を限りなく取り除いた水のことをいいます。
RO水を提供するウォーターサーバーを利用する
RO水を提供するウォーターサーバーには、「クリクラ」や「アクアクララ」などがあります。
水の値段については、実はお手頃で500mlあたり、50円台のものが大半です。
またそれ以外の選択肢については、以下の記事でも後半に紹介されていますので、詳しく知りたい方は一度目を通してみるといいかもしれません。
水道直結型ウォーターサーバーを利用する
水道直結型ウォーターサーバーとは、従来のウォーターサーバーと異なり、
- 水の注文不要
- 配達受け取り不要
- 水の設置が不要
という、ウォーターサーバーにありがちな課題をクリアにした、次世代型ウォーターサーバーです。
このサーバーではその名の通り、自宅の水道管とサーバー自体をつなぐことで、水道水を直接サーバータンクに自動でひいてきます。
つまり、「水道水を浄水器よりも優れた浄水力でろ過した水が利用できる」ということです。
このサーバーを利用するメリットは、実はその点だけではありません。
最大のメリットは以下となります。
■ メリット
- 水をいくら使っても利用料が変わらない(月3~4,000円程度)
- 定期的に専門スタッフがメンテナンスしてくれる(無償なことが大半)
- 水の設置不要なため身体に負担がかからない
- 温水と冷水を好きな時に好きなだけ利用できる
ここで注目したいのは、「1」の利用料が変わらないという点でしょう。
要は、よく水道水を利用する方であれば、使えば使うほどお得になるという意味でもあります。
反対にあまり利用しない場合では、少々割高となってしまいますので、注意しなくてはなりません。
水道直結型ウォーターサーバーについては、以下の記事で厳選を紹介していますので、上手く活用してみましょう。
自宅で簡単に蒸留水を作ってアレンジしてみよう
今回は、自宅で簡単にできる蒸留水の作り方をご紹介しました。
手作りの蒸留水は残念ながらあまり日持ちはしないため、数日間で使い切るようにしてください。
蒸留水は飲み水だけでなく、さまざまな使い道があり応用の可能性は無限大です。
不純物がほとんどないのでスキンケアや料理、赤ちゃんのミルクにも安心して使えます。
さらに、ハーブウォーターの場合は香りが強くないので、強い香りが苦手な方でもルームフレグランスや香水代わりに使えること嬉しい点でしょう。
あなたも蒸留水を手作りして、今までちょっと違う、新しい生活を始めてみてはいかがでしょうか。
我が家は井戸水ですがこちらは如何ですか?