水素水はすっかり美容や健康にいいものとして一般的に知られるようになりましたが、最近は酸素水が話題です。
酸素は水素とともに水の構成元素であり、酸素水にも水素水同様の効果が得られるのではないかとも言われています。
そこで今回は、以下のような疑問にわかりやすく答えていきます。
- そもそも酸素にはどんなはたらきがあるの?
- 酸素水にはデメリットはないの?
- 自宅で酸素水を作る方法は?
- 自宅で作るときの注意すべきことはあるの?
この記事を読めば、酸素水についてまるわかりです!
もくじ
酸素水とは
酸素水とは、酸素を多く含んだ水のこと。
「酸素を多く含んだ水」であることからもわかるように、水道水などの一般的な水も酸素を含んでいます。
それ以上に多くの酸素、つまり酸素を高い濃度で含んでいるので、正式な呼称は「高濃度酸素水」です。
酸素水と水素水の違いは?
近年注目されている水といえば、酸素水以外にも「水素水」があります。
この「酸素」と「水素」は、からだの中でどういった役割があるのでしょうか。
その答えは、簡単にまとめると以下のようになります。
酸素のはたらき
酸素は、からだの器官を上手く機能させるために必要で、エネルギーを作り出すこともします。
また、免疫の面でも活躍し、からだを守る役割があります。
これら働きについての詳細は、後に詳しく紹介しておきますので、今はこのまま読み進めていきましょう。
水素のはたらき
一方の水素については、まだまだその効果がハッキリとはしていませんが、からだのサビ付きを防止する役割があるとされています。
とくに、老化の原因として活性酸素の存在が挙げられますが、これを除去する働きが示唆されているのです。
簡単な説明ではありますが、両者にはこれらのはたらきがそれぞれにあります。
次からは、「酸素」について深掘りをしていきますので、その必要性を見極めてみてください。
では進めていきましょう。
酸素不足で起こるからだへの影響とは
まず、酸素がどういった働きをするのかを詳しく見ていく前に、酸素がからだの中で不足すると、どういった症状が出てくるのかという点から見ていきましょう。
では早速、解説していきます。
酸素不足でこんな症状がでる
酸素が体内で不足すると、たとえば以下のような症状が出るようになります。
- 眠気を感じやすくなる
- 集中力が下がる
- 代謝が落ちる
- 老廃物が溜まりやすくなる
- 肩こりがしやすくなる
これらは一例ですが、こんなにもからだにとって良くない影響が出るのです。
また連鎖的に考えれば、もっと症状は増えていくでしょう。
たとえば、肩こりがひどくなれば頭痛に繋がってしまうこともあります。
では、そもそもなぜ酸素が不足するのでしょうか。
次はその点を深掘りしていきましょう。
なぜ酸素が足りなくなるのか
呼吸から酸素を取り入れているにもかかわらず、酸素が足りなくなるのは、普段の生活が大きく影響しています。
たとえば、以下のようなものが原因として挙げられるでしょう。
- 姿勢が悪くなっている
- ストレスを抱えている
- お酒やタバコ
- 運動不足
とくに「姿勢が悪い」いわゆる猫背の場合では、呼吸をしていても肺が圧迫されて十分に酸素を吸い込めず、浅い呼吸となってしまいます。
ストレスを抱えている場合も同様で、無意識に呼吸は浅くなるものです。
これら身近にある原因がもとで、酸素不足になるのです。
酸素のはたらきって?酸素水を飲むデメリットはないの?
先に酸素のはたらきについては、かんたんに触れておきましたが、具体的にどういった働きがあるのでしょうか。
また酸素を多く含む酸素水を飲むことのデメリットはないのでしょうか。
ここでは、これら疑問について答えていきます。
では順に見ていきましょう。
酸素のはたらきは?
ここでは酸素の働きについて3つほどあげておきます。
いつも何気なく呼吸で取り込んでいる酸素。
これが生きていくために必要だということは、誰しもが知っていることですが、その他にどういったはたらきがあるのでしょうか。
その点について深掘りしていきましょう。
からだを守る
体内に取り込まれた酸素は、一部活性酸素となります。
「活性酸素」と聞くと、どうしても老化などの悪いイメージが先行しがちですが、かならずしもそうではありません。
活性酸素には、ウイルスや細菌などを殺菌し、私たちのからだを守る役割も担っているのです。
この活性酸素がなければ、ウイルスや細菌などが原因で、炎症などを引き起こしやすくなることもあるでしょう。
つまり活性酸素とは、過剰に存在していても少なすぎても良くないということとなります。
エネルギーを作り出す
脂肪がエネルギーとして消費されるには、酸素は欠かせません。
火をおこすときに空気を入れるように、脂肪を燃焼するときも酸素が必要なんです。
運動が苦手だったり忙しくて時間が取れなかったりする人でも、酸素を体に取り込めます。
多くの酸素を取り込めば多くの脂肪を燃焼できるので、ダイエット時には呼吸にも意識を傾けたいものです。
乳酸の分解を助ける
スポーツ選手が酸素カプセルを使うことからもわかるように、酸素には疲労を溜め込まないように働いてくれます。
このはたらきのメカニズムを簡単に説明すると、酸素には体中の細胞が活動するためのエネルギーを生み出す力があります。
そのエネルギーによって細胞の活動が活発化するので、新陳代謝のアップにつながるのです。
新陳代謝があがると、疲労の原因のひとつである乳酸が分解されやすくなります。
乳酸が分解されれば、疲労が蓄積されにくくなるため、短時間での疲労回復効果または疲労の軽減が可能です。
酸素水を飲むデメリット
続いて、酸素水を飲むデメリット3つをご紹介しましょう。
酸素水の酸素の含有量自体が多くない
一つ目は、実は酸素水と言っても酸素の含有量がそもそも多くないこと。
酸素水ではない一般的な水1Lに含まれる酸素の含有量は、人が10回呼吸したときに体内に吸収される量程度だと言われています。
呼吸ペースにもよりますが、1分あれば10回呼吸するのは容易なので、いかに水の酸素含有量が少ないかお分かりいただけるでしょう。
そもそもの水の含有量が少ないので、ぎゅっと酸素を濃縮した酸素水だとしても、1時間程度の呼吸で体内に取り込まれる酸素の量とほぼ変わりません。
そのため、
との意見もあがっています。
市販の酸素水は高額
二つ目は、市販の酸素水は高額なこと。
たとえば、500mlペットボトルの24本セット(12L)の場合、天然水が2,000円以下で買えるところ、酸素水は安くても倍の4,000円以上が必要となります。
4,000円台になると、ウォーターサーバーの12Lボトル2本セットの価格としても高額な部類です。
この価格差は、500mlペットボトルの24本セットに限らず、2Lペットボトルなどにおいても同様です。
単純計算でも1Lあたり300円以上がかかるので、市販の酸素水は決して安くありません。
そのため、飲み続けるにはある程度の経済的な余裕が必要になるでしょう。
美容用途で使えない
三つ目は、美容用途で使えないこと。
よく比較対象にあげられる水素水は化粧水などにも用いられ、美容分野でも商品化の実績は豊富です。
水素水とは何?ふつうの水との違いや効果を徹底解説! 水素水の作り方!自宅で簡単にできる3つの方法とメリット・デメリットとはしかし、酸素水や酸素の成分が美容分野で大々的に取り上げられるケースはほとんどありません。
その理由は、美容分野の商品に配合される成分と酸素の相性がよくないことにあります。
つまり、美容成分が酸素と合わされば酸化し、劣化してしまう恐れがあるのです。
そのため、美容成分として使われることはほぼありません。
また、酸素水を洗顔などで使おうとしても、酸素水中の酸素はすぐに空気中に逃げてしまいます。
酸素水を美容用途で使うには専用の器具が必要になるので、一般家庭での導入には向かないといえるでしょう。
自宅でできる!酸素水の作り方
ここからは、具体的な酸素水の作り方をご紹介しましょう。
酸素水の作り方は大きく分けて3つ
酸素水の作り方には、大きく分けて次の3つがあります。
- 高速撹拌法
- 高圧酸素溶解法
- マイクロバブル法
まずは、この3つの方法を順番に解説しましょう。
1:高速撹拌法
一つ目の「高速撹拌法」は、高回転ミキサーと呼ばれる道具で水をかき混ぜて、そこに酸素を溶かして含有量を増やす方法です。
高速撹拌法を実施するには、「カッターミキサー」や「ホモジナイザー」といった業務用の機械が必要となります。
そのため、金銭的余裕があれば話は別ですが、やや現実味に欠ける方法といえるでしょう。
ちなみに「カッターミキサー」とは、高速回転するカッターナイフで材料を瞬時に乳化・混合・切断するミキサーのことをいいます。
工場見学などで食品などがぐるぐる回りながら混ぜられていくところご覧になった方もいるのではないでしょうか。
「ホモジナイザー」は、医学や科学的な研究で使われる機械で、組織や細胞などのサンプルを均等化・乳化・分散する器具です。
モーターが必要なものからごく少数のサンプルでも使用できるものまで、さまざまなものがあります。
しかし、あくまで研究用の機械です。
そのため、高速撹拌法に必要なカッターミキサーやホモジナイザーは、一般家庭で導入しやすい商品とは言えないでしょう。
2:高圧酸素溶解法
二つ目の高圧酸素溶解法は、酸素の浸透力を利用して水に酸素を溶かす方法です。
水に高圧をかければ、酸素を浸透させられます。
高圧酸素は、末梢循環不全や損傷組織の創傷不全、感染症などの治療にも利用されています。
医療目的で使う装置は「部屋」と言われるように、大人が余裕を持って入れる大きさのものです。
高圧酸素溶解法で用いる高圧をかける装置も、専門分野の研究で用いられるようなもので、家庭への導入を考えられた商品ではありません。
そのため、一般家庭で酸素水を作る方法として、高圧酸素溶解法は現実的とは言えないでしょう。
3:マイクロバブル法
三つ目のマイクロバブル法は、上記2つの方法に比べて10倍近く高濃度の酸素水を作れる最新技術を駆使した方法です。
特殊なミキサーで水中にマイクロバブルを送れば、水に酸素を溶かします。
こちらも高圧酸素溶解法で用いる機械同様、専門的な研究用に使われる機械でマイクロバブルを発生させるので、家庭向けではありません。
しかし、水槽サイズのものもあるなど小型で、50万円から100万円ほどで注文可能なので、高圧酸素溶解法の装置に比べればまだ家庭向けといえます。
とはいえ、マイクロバブル法も残念ながら家庭で酸素水を作る現実的な方法とは言えないでしょう。
現実的な酸素水を作る方法
ここまででご紹介した高速撹拌法と高圧酸素溶解法、マイクロバブル法は、いずれも家庭で酸素水を作るには非現実的な方法でした。
と思う方も、ここまでご覧になった方には多いのではないでしょうか。
しかし、まだ諦めるのは早いです。
自宅で酸素水を作れる方法は、ゼロではありません!
先ほどの3つの方法よりも、はるかに低コストかつ、現実的に酸素水を作れる方法を2つご紹介しましょう!
1:酸素水生成器を購入する
一つ目の方法は、酸素水生成器を購入すること。
酸素水生成器はその名のとおり、酸素水を生成させる機械です。
「水を入れてボタンを押してしばらく待てば酸素水ができている」といったイメージの商品がメインです。
簡単に酸素水が作れてよさそうなイメージですが、一度に多くの量を作れないのと、酸素水生成器の単価が高いのがデメリット。
値段は安いもので4万円前後と、決して多くの人が即決で出せる金額ではありません。
しかし、高速撹拌法や高圧酸素溶解法、マイクロバブル法で必要とされる装置に比べればはるかに購入しやすいといえるでしょう。
2:酸素水を作れるウォーターサーバーを契約する
実は市場に出回っている酸素水生成器の数はそれほど多くありません。
そのため、高速撹拌法や高圧酸素溶解法、マイクロバブル法に比べればはるかに現実的ではあるものの、「誰もが同じようにできるか」といえば、やや難しい側面があります。
もっとも現実的といえる方法が、酸素水を作れるウォーターサーバーの契約です。
通常のウォーターサーバーだと「サーバーレンタル代は無料、水は月額3,000円台から」といったイメージですが、酸素水を作れるウォーターサーバーの場合は、まったく別のものを契約するイメージを作りましょう。
酸素水サーバーでは、毎月のサーバー契約代だけでも、なんと10,000円近くかかるんです。
水道水をひくタイプなら専用の「酸素カードリッジ代」、ボトルタイプなら「酸素水入りボトル代」が別途で発生します。
酸素カードリッジの交換タイミングや金額はメーカーによりますが、安くても年間6,000円はかかります。
ただし、酸素水を作れるウォーターサーバーの維持には、年間10万円以上が必要です。
酸素水を自宅で作るときの注意点
最後に、酸素水を自宅で作るときの注意点を2つご紹介しましょう。
高額装置を購入できる場合は、家庭での導入を要シミュレーション
「高速撹拌法や高圧酸素溶解法、マイクロバブル法で必要な装置は高額で家庭向きじゃない」と、すでに何度か触れています。
家庭向きではないとはいえ、導入できる経済力があれば導入を検討する方もいるのではないでしょうか。
もし導入を検討される場合は、家庭で導入するケースを前提に作られた商品ではないので、メーカーに問い合わせるなどして家庭で導入するための準備をしましょう。
具体的には、以下の内容を確認していきましょう。
- 保管方法
- 電気代
- 装置使用時の発熱
- 騒音の有無など
特に騒音は近所トラブルの原因になりかねないので、必ずチェックしましょう。
金魚用オキシデーターは絶対にダメ!
実は酸素を発生させる装置で手軽に入手できるものに、オキシデーターがあります。
オキシデーターは、金魚などを飼うときに水中に酸素を発生させるための装置のことをいいます。。
日本でもメジャーな魚類ペットである金魚用商品であるのもあり、ここまでにご紹介した商品に比べるとかなり安く購入できます。
と思う方もいるかもしれませんが、絶対にやめましょう。
理由は簡単で、オキシデーターで発生する酸素は「活性酸素」であり、活性酸素は人間にとって「がん」や「生活習慣病」の原因になるからです。
酸素水で健康を手に入れようと思ったのに病気になってしまっては、元も子もありません。
酸素水を試すなら小さく始めてみよう
今回は、酸素についてはもちろん、酸素水のデメリットや自宅での作り方、自宅で作るときの注意点をご紹介しました。
酸素水は水素水に比べると、まだまだ家庭で導入するにはハードルが高いといえるでしょう。
酸素水の健康効果を確かめたい方は市販のペットボトルから始めて、家計に無理のない範囲で家庭での導入を目指してみてはいかがでしょうか。
「オキシデーターで発生する酸素は活性酸素」
とのことですが、活性酸素が発生する仕組みはどのようなものなのでしょうか?
これを回避する方法はないのでしょうか?