水道水を飲むのはNGとしている国が多いなか、日本の水道水は世界一安全と言われています。
しっかり衛生管理されているので、そのまま飲んでももちろんOKです。
ですが、水道水を飲んだときに「まずい」と感じたことがある方は多いでしょう。毎日使う水だからこそ、味が変だと気になりますよね。
そう不安を感じている方、安心してください。そのまずい水道水を美味しく飲む方法はたくさんあります。
ここでは、水道水がまずいと感じる原因や水道水がまずい都道府県、さらに美味しく飲むための対策についても紹介していきます。
いますぐ実践できる方法もたくさんあるので、ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
「水道水がまずい・・・」どうしたらいい?
自宅の水道水がまずいと感じている方は、意外と多いようです。
もちろんお住まいの地域にもよりますが、特にマンションやアパート住まいの方に多い傾向があります。
いまやミネラルウォーターのペットボトルが手軽に手に入る時代になったので、水道水が美味しくなくてもそこまで支障はないかもしれません。
という方もいます。
でもそのまずい水道水、なぜまずいのかを考えたことはありますか?
理由を知ったら、水道水をそのまま利用することに不安を感じてしまうかもしれません。
しかし、理由を知らないまま飲み続けることの方がコワイですよね。
私たちにとって最も身近な水である水道水。まずは変な味やニオイがする場合の原因を知り、その上で安心して使える方法を考えていきましょう。
水道水がまずい原因とは
水道水をまずいと感じさせる原因は、主に3つあります。
- 残留塩素
- 古い配水管から出るサビ
- 貯水タンクの汚れ
なんだか恐ろしい文字が並んでいますが、いったいどういうことなのでしょうか?
ひとつひとつの原因について詳しく見ていきましょう。
1:残留塩素
そもそも水道水は、美味しさよりも「安全性」を追求していることを頭に入れておかなければいけません。
水道水のもとである原水は、浄水場に運ばれて不純物が取り除かれると同時に、殺菌の目的で塩素消毒も行なわれます。
この塩素のおかげで安心して水道水を使えるのですが、家庭に届くまでの間にどうしても微量の塩素が残ってしまうのです。
これが「残留塩素」というわけですね。
もちろん残留塩素の量は、私たちの身体に悪影響のない程度に管理されています。
具体的にどのくらい含まれているかというと、水道法で定められている0.1mg/L以上、目標値である1mg/L以下の範囲内で、お住まいの地域によって異なるようです。
ちなみに、水道水を飲んで「美味しい」と感じられる残留塩素の量は、0.4mg/L以下であると言われています。
これ以上だと「まずい」「カルキ臭い」と感じやすいのだとか。
ご自宅の水道水の残留塩素量が気になる方は、「水質検査キット」で調べてみるとよいでしょう。
2:古い配水管から出るサビ
浄水場から各家庭に届けられるまでに、水道水は配水管を通ってきます。
その配水管が古くなって錆びついていると、自然とサビを含んでしまい、変な味の原因になるのです。
劣化した配水管は交換されるものの、その頻度は自治体によって異なります。
そう簡単にできる工事ではないため、なかには劣化したままの配水管を長く放置しているケースも。
と想像すると、そのまま飲むのは躊躇してしまいますね。
3:貯水タンクの汚れ
マンションやアパートにお住まいの場合、各戸にいつでも供給できるように「貯水タンク」に一定量の水を溜めています。
この貯水タンクの汚れも、水道水の味を劣化させる大きな原因です。
いつも清潔に管理されている貯水タンクであれば、心配はいりません。
しかし、清掃を怠ったり亀裂が入ったまま放置してあったりする貯水タンクの場合は、不純物の沈殿や藻の発生といった心配があります。
特に、築年数が長いマンションやアパートの場合は要注意です。
水道水がまずい都道府県はどこ?
水道水がまずい原因について紹介していきましたが、国内で水道水がまずいと感じる都道府県には、たとえばどこが挙げられるのでしょうか?
ここでは、残念ながら上位にランクインしてしまったトップ5を紹介し、その理由について2つほど紹介していきます。
では早速見ていきましょう!
水道水がまずい都道府県トップ5
水道水がまずいと感じる都道府県については、「水を考えるプロジェクト」が行った「地元民が『おいしい』と思う水ランキング」の調査結果をもとに掲載しています。
この調査では、上位ほど「おいしい」ということですので、ワースト5をピックアップして「水道水がまずい都道府県TOP5」とさせていただきました。
- 1位:福岡県
- 1位:沖縄県
- 3位:千葉県
- 4位:埼玉県
- 5位:大阪府
福岡県と沖縄県の2県が残念ながら、水道水があまり美味しくはないという結果となりました。
これらは、具体的にどういったことが影響しているのでしょうか?
次から、その理由を2つ挙げて紹介していきます。
水道水のランクで美味しさは変わる
まず一つ目の理由は、水道水のランクです。
実は、単に水道水といっても、研究機関ではランクごとに水道水を区分しているのです。
この点が、水道水の水質に大きく影響していると考えられます。
では、水道水のランクについてですが、どのような基準で分かれているのでしょうか。
ランクは主に以下の4つに区分されており、基準も明確に異なります。
特級水 | 湧き水や良質な地下水が原水で少量の塩素のみで殺菌した水道水 |
1級水 | 上流部の湖や河川を原水とし、ろ過して生成された水道水 |
2級水 | 下流部の湖や河川の汚れた水を原水とし、ゆっくりろ過した水道水 |
3級水 | 下流部の湖や河川の汚れた水を原水とし、薬品で急速ろ過した水道水 |
これら等級は、お察しの通り、下に行くほど「まずい」と感じる水道水となります。
汚染度合が下に行くにつれ高くなりますから、その分殺菌のための塩素も増えてしまうのです。
もちろん、使用する薬品が増えれば、それに伴ってカルキ臭さが強くでます。
これが水道水の「まずい」につながるわけですね!
ただし、現在では浄水能力も上がってきているので、水道水の等級による不味さの原因割合は減っているかもしれません。
硬度も水道水の美味しさに関係している
水に含まれる硬度についても、おいしい水かどうかを分けるひとつのポイントとなります。
まずおいしい水の定義についてですが、「おいしい水研究会」によると、以下のように定義できるそうです。
※画像元:東京都水道局(おいしい水の要件)より
また硬度は、高いほどクセのある味わいとなり、低いほどスッキリとした味わいとなります。
一般的には、硬度30mg/L前後のものが、まろやかな口当たりで飲みやすいのではないでしょうか。
では、次に各都道府県ごとの硬度についても見ていきましょう。
以下は、クリタック株式会社が現地で搾取し分析した結果となります。
※画像元:クリタック株式会社(全国水質マップ)より
ここで気づくのが、先ほど「水道水がまずい都道府県TOP5」でランクインした大阪府を除く4県が、硬度が高めであることではないでしょうか。
特に沖縄県に関しては、国内で最も硬度が高くなっており、より独特感が水道水にあるのかもしれませんね。
さて、ここまでで「まずい水道水」となる理由を挙げて紹介してきました。
次からは、まずくなってしまった水道水を、どうおいしく飲めるようにするのかについて紹介していきます。
では進めていきましょう!
まずい水道水を美味しく飲む6つの対策
水道水がまずいと感じる原因がわかったところで、ここからが肝心です。
そのまずい水道水を美味しく飲むには、どうしたらいいのでしょうか?
ここからは、手軽にできる6つの対策をご紹介しましょう。
1:煮沸させる
すでにご存知かもしれませんが、水道水は煮沸することでより安全に飲むことができます。
カルキ臭さもなくなり、美味しく飲める最もお手軽な方法です。
ただし、この対策には注意点があります。それは「15分以上沸騰させ続けること」。
実は水道水にはトリハロメタンという有害物質が含まれているのですが、この物質は短時間の沸騰だと一時的に増えてしまうという特性を持っています。
特に5分程度の短い煮沸では、3倍程度に増えてしまうのです。
15分以上沸騰させると、トリハロメタンは消滅するため、面倒でもきちんと時間を測って煮沸するようにしましょう。
2:冷蔵庫で1日保管する
水道水に含まれる残留塩素は、空気に触れると抜けていくという特徴があります。
そのため、水道水をくみ置きしておくことで、より美味しく飲むことが可能です。
暖かい場所にくみ置きしておくと菌が繁殖するため、冷蔵庫で保管するとよいでしょう。
おすすめの方法は、水道水をペットボトルに入れ、蓋をしめて軽く振り、冷蔵庫で1日冷やすことです。
カルキ臭さを感じることなく飲むことができます。
3:レモンを入れる
よくおしゃれなカフェなどで、レモンの輪切り入りの水をサーブしていますよね。
ほのかにレモンの味と香りがして、料理と一緒にさっぱり飲めるというメリットもありますが、実は水のカルキ臭さを解消してくれる作用もあります。
これは、レモンに含まれているビタミンCの働きです。
ビタミンCには残留塩素を分解する作用があるため、カルキ独特の味と香りが抜けて美味しく飲むことができます。
4:緑茶を入れる
緑茶に含まれているカテキンも、残留塩素を分解する働きを持っています。
そのまま飲んでカルキ臭さを感じる場合は、ぜひ緑茶にして飲むようにしましょう。
完全に「お茶」にしなくても、茶こしにひとつまみの茶葉を入れてゆっくりと水道水を通すだけで、残留塩素を分解することができます。
5:浄水器を使う
浄水器とは、水道水をろ過して浄化する機器のことです。
これを使うことで、残留塩素やサビなどの不純物を効率よく取り除くことができます。
ただし、一口に浄水器といってもいろいろな種類があり、その製品によって浄化機能はさまざまです。
残留塩素やカビといった比較的大きな物質のみ除去できるタイプもあれば、トリハロメタンや放射性物質など小さい物質も除去できるタイプもあります。
また、形状もさまざまです。以下に代表的な種類を挙げてみました。
蛇口直結型 | 蛇口に直接取り付けるコンパクトなタイプ |
据え置き型 | シンクに設置して使用するタイプ |
アンダーシンク型(ビルトイン型) | シンク下に取り付ける高性能なタイプ |
ポット型 | 水道水を注ぐだけのお手軽タイプ |
いろいろなタイプがあるため、ご自宅のキッチンに合わせて選ぶことができます。
価格もそれぞれ異なるので、希望に合わせて選べる点が魅力です。
浄水器については、以下の記事で種類の解説とともに、厳選したおすすめについても紹介しています。
自身に合ったタイプの浄水器を見つける際にお役立てください。
浄水器の仕組みと上手に使う4つのヒント!種類や選び方も解説6:ウォータースタンドを使う
ウォータースタンドも、水道水をろ過して美味しくしてくれる便利な機器です。
据え置き型の浄水器と同じように、シンク上に設置して利用します。
浄水器と違うのは、ボタンひとつで「常温の水・冷水・温水」の3種類を飲むことができること。
つまり、ウォーターボトルではなく水道水を使うウォーターサーバーといったところです。
また、ウォータースタンドには、浄水器よりも高性能なフィルターが用いられています。
大きい不純物も小さい不純物も取り除くことができるため、より美味しい水を楽しむことができるでしょう。
ちなみにウォータースタンドは、使っているフィルターの種類によって以下の2タイプに分かれます。
- ナノトラップフィルター
- 逆浸透膜(RO膜)
逆浸透膜(RO膜)の方が浄水能力が高く、その分価格も高額です。
不純物を99.9%取り除くことができるため、安全性の高さは抜群といえます。
ただし、ナノトラップフィルターも、一般的な浄水器に比べるとはるかに高性能です。
両者は形状や大きさはほとんど違いがないため、単純に浄水能力で比較するとよいでしょう。
安心できるベストな方法は?
ここまで6つの対策をご紹介してきましたが、気になる方法はありましたか?
煮沸する、くみ置きする、レモンや緑茶を入れるなど、ちょっとした工夫で美味しい水道水を飲めることがわかりました。
しかし、その前にご紹介した「まずい原因」のことを考えると、
と疑問が残りますよね。
では、水道水を安心して飲めるベストな方法とは一体なんでしょうか?
重視したいポイント別に見ていきましょう。
コスパ重視なら「浄水器」
安全で美味しい水をお手軽に飲みたい方には、浄水器の設置をおすすめします。
いろいろタイプがあるとご紹介したなかで、特にお手軽なのは「蛇口直結型」や「ポット型」です。
ただし、据え置き型やアンダーシンク型の方が高性能となっており、水の安全や美味しさにこだわる方に適しています。
よりコスパの高い製品を選ぶために、価格だけでなく、機能性にも注目して選ぶとよいでしょう。
また、浄水器は内臓されているフィルターを定期交換する必要がありますが、このフィルターの価格や交換時期は事前にチェックしておくと安心です。
本体価格が安くても、フィルター代が高額で月々の支払いがかさんでしまうケースもあります。
満足のタイプを選べるよう、慎重に確認しておきましょう。
水にこだわるなら「ウォータースタンド」
とにかく水道水の安全性と美味しさにこだわりたい方には、ウォータースタンドがおすすめです。
浄水器のなかには水道水っぽさが残ってしまうものもありますが、ウォータースタンドならそういったことはありません。
特殊なフィルターを使ってろ過するので、より安全で美味しい水を飲むことができます。
高性能な浄水器もありますが、高機能タイプは設置工事が必要となるため、その分費用が高額です。
しかし、ウォータースタンドはレンタル制のため初期費用なしで設置でき、しかもお湯もワンタッチで使えるという便利な機能もついています。
ひとつ注意しておきたいのが、月々定額でレンタル料金が発生することです。
相場は、月3,480円~6,980円程度。
ここには工事費用もメンテナンス費用もすべて含まれているので、そう考えると決して高くない金額ではないでしょうか。
以下の記事では「ウォータースタンド」のリアルな口コミを掲載しています。
悪い部分についても隠さず紹介しているので、気になる方はのぞいてみてくださいね!
ウォータースタンドの口コミ&評判!水道水で美味しい水が飲める仕組みとは?ウォーターサーバーを使う対策もおすすめ
まずい水道水を美味しく飲む対策をご紹介してきましたが、なかには、
という方もいるでしょう。
そんな方へのおすすめは、ウォーターサーバーです。
ウォーターサーバーでは水道水を使わずにミネラルウォーターを使っているため、その美味しさには太鼓判を押せます。
使っているミネラルウォーターの種類はメーカーによって異なり、自分の好きな水を選んで飲むことができる点もうれしいポイントです。
そして、ミネラルウォーターのペットボトルを購入するよりも、安く済むというメリットもあります。
500mlのペットボトルは100円程度ですが、ウォーターサーバーを使えば500mlで50~80円程度。
しかも、冷水だけでなく温水も使えるので、お湯を沸かす手間が省けてとても便利です。
ストックボトルは災害対策にもなり、万が一水道水が使えなくなったときに大変重宝します。
水道水を使う浄水器やウォータースタンドよりもランニングコストがかかりますが、天然水へのこだわりがある方、災害対策としての利用を考えている方は、ウォーターサーバーの設置を検討してみてはいかがでしょうか。
以下の記事では、ウォーターサーバー初心者や経験者の方でも、自身に合うウォーターサーバーが見つけやすいように配慮がされています。
少しでも気になるという方は、どういったものがあるのか、サッと確認してみると良いでしょう。
非公開: ウォーターサーバーおすすめ17選!目的別に選べる比較ランキング原因と対策を知って美味しい水を飲もう
今回は、水道水がまずいと感じる原因を踏まえた上で、美味しく飲むための対策についてご紹介しました。
キーワードは、残留塩素やサビ、汚れといった不純物です。これを取り除くことによって、まずい水道水の悩みを解消することができます。
味だけでなく安全性も考えると、浄水器やウォータースタンド、さらにはウォーターサーバーの利用がおすすめです。
まずは「何を重視すべきか」を明確にして、満足できる対策を選びましょう。
ウォータースタンドやウォーターサーバーのメーカーによっては、無料のお試しや試飲サービスを行っています。
ぜひこれを機に、水道水への考え方を改め、より安心できる水対策を探してみてください。
日々の使い勝手の良さはもちろん、飲み物から料理の味の変化にも、きっと驚くはずです!