おしゃれなカフェやレストランで「レモン水」を飲んだ経験はありませんか?
実はそのレモン水が、ダイエットや美肌、デトックスなどに効果があると注目を集めています。
しかも、うれしいことにその作り方はとっても簡単。少ない材料で、思い立ったらすぐに作れる点も魅力です。
そこで今回は、レモン水の効果と作り方を徹底解説。
手軽に健康・美容対策をしたいと考えている方、ぜひ今日からレモン水生活を始めてみませんか?
もくじ
そもそもレモン水とは?
身体にいいもの、と聞くとその効果ばかりが気になってしまうものです。
でも、まずはレモン水とはどんな水なのか、そしてどんな成分が含まれているのかチェックしていきましょう。
レモン水とはこんな水
レモン水とは、文字通り「水にレモンの風味が溶け出した水」のことです。
レモンの風味がすることで、後味がとてもさっぱりしていて、飲んだあとにスッキリ爽快な気分になれます。
レモン水に含まれる4つの栄養素
レモン水が身体にいいと言われる理由は、レモン水に含まれる以下の4つの栄養素の働きにあります。
- クエン酸
- ビタミンC
- ペクチン
- ポリフェノール
それぞれの栄養素がどのような働きをするのか、次から詳しくご紹介します。
1:クエン酸
クエン酸とは、レモンに含まれる酸味成分のことです。
レモン以外にも、みかんやグレープフルーツなどの柑橘類や梅干し、お酢など酸っぱいものに含まれています。
「疲れたときには酸っぱいものを」とよくいわれますが、それはまさにクエン酸の持つ疲労回復作用によるものです。
身体が疲れているときは乳酸がたまっている状態で、クエン酸にはその乳酸を分解する働きがあります。
疲労物質を除去して新陳代謝を高めてくれるので、身体の疲れがやわらぐといわれています。
また、クエン酸には「酸」という言葉が付いていますが、体内に入るとアルカリ性に変わります。
そして食生活の乱れやストレスなど酸性に傾いた血液を中和させ、人の身体にとって理想的である弱酸性へと導いてくれるのです。
2:ビタミンC
レモンといえば、ビタミンCを思い浮かべる方が多いかもしれません。
ビタミンCは水溶性ビタミンのひとつで、身体の働きをサポートして調子を整えてくれる作用を持っています。
特に注目したい働きは、抗酸化作用です。
人間は呼吸によって空気中に含まれる酸素を取り入れて生きており、その酸素のうちの数パーセントが「活性酸素」と呼ばれる物質に変化します。
この活性酸素は強い酸化力を持っており、その力で体内に侵入してきたウイルスを撃退してくれます。
しかし、活性酸素が増えすぎると体内が酸化してしまい、各種細胞の機能を低下させてさまざまな不調や病気を引き起こす恐れがあるのです。
ビタミンCにはこの活性酸素を無害化する「抗酸化作用」があり、私たちの健康維持の大きな助けになってくれます。
しかし、ビタミンCは身体の中で作ることができず、しかも日々の生活でどんどん失われていくので、こまめに摂取することが大切です。
3:ペクチン
レモンに含まれるペクチンは、野菜や果物などに含まれる天然の多糖類です。
ゼリー化(ゲル化)作用があり、植物細胞をつなぎ合わせる働きを持っています。
パンなどに塗るジャムに独特なとろみがあるのは、このペクチンの作用によるものです。
食物繊維であるペクチンを摂取すると、腸が活発に動いて下痢や便秘などの予防につながります。
また、血液中のコレステロールを軽減させる作用もあり、動脈硬化や糖尿病、心筋梗塞なども効果的に予防できます。
4:ポリフェノール
レモンには、ポリフェノールも含まれています。
ポリフェノールは植物に存在する苦味や色素の成分で、その種類はおよそ5,000種類以上。
レモンも、さまざまな種類のポリフェノールを含有しています。
特に注目したいのがエリオシトリンやヘスペリジンといったポリフェノールで、ビタミンCなどと同様に強い抗酸化作用を持っています。
増えすぎた活性酸素の働きを抑えてくれるので、健康維持に役立つとても大切な栄養素です。
ただし、ポリフェノールは水に溶けやすく、その効果は長時間持続しません。
毎日こまめに摂取することでポリフェノールによる恩恵を実感しやすいため、日常的に摂り入れることを意識したいものです。
レモン水の持つ4つの効果
レモンに含まれる主な栄養素をご紹介したところで、ここからが本題です。
レモン水は、私たちの身体にどのようなうれしい効果をもたらしてくれるのでしょうか。
得られる主な効果を、わかりやすく3つにまとめてみました。
効果1:ダイエットのサポート
まずひとつめに挙げられるのが、ダイエットのサポート効果です。
先ほどご紹介したように、レモンには抗酸化作用を持つ栄養素がたくさん含まれています(抗酸化作用については次の効果にエビデンスがあります)。
体内の活性酸素の数が正常に戻ると代謝が上がるので、脂肪を燃焼しやすくなるのです。
また、クエン酸もダイエットに大きく貢献してくれます。
〔結果〕体重,BMI,肥満度,最高血圧,脈圧,RBC,Hb,Ht%,LDLコレステロールの8項目で群間での有意差が認められた.〔結語〕血中クエン酸濃度により少ない運動量であっても効果的に脂肪が燃焼される可能性がある.
※引用元:J-stage(血中クエン酸濃度と歩数および生活習慣病関連指標との関係)より
食事で摂取する糖質や脂質をエネルギーに変えて、順調に消費させてくれるため、日常的に摂取することで身体の中の脂肪分を効率よく減らすことが可能です。
さらに、ペクチンの持つダイエット効果にも注目したいところ。
水溶性食物繊維であるペクチンは腸内で余分な脂肪と結びつき、排出をうながす作用を持っています。
その上血糖値の上昇を穏やかにする作用もあり、肥満を効果的に防いでくれます。
効果2:肌を健やかに保つ
実はレモン水は、海外のセレブやモデルたちにいち早く注目され、肌の健康維持のために活用されています。
肌を健やかに保てる秘密は、レモン水に含まれる豊富なビタミンCです。
ビタミンCもまた抗酸化作用のある栄養素で、肌に悪影響を及ぼす活性酸素の働きを抑える作用があります。
このことについて、東京都健康長寿医療センター研究所の論文では、以下のように公表していました。
ビタミンC(L-アスコルビン酸)は,水溶性ビタミンの一種であり,皮膚や骨に多く存在するコラーゲン繊維の構築,コレステロールなどの脂質代謝,アドレナリンなどカテコールアミン合成に重要な酵素の補因子として働く.また,ビタミンCは,強力な抗酸化剤であり,スーパーオキシドアニオンラジカル(O2-)やヒドロキシラジカル(OH)などの活性酸素種を消去する.
※引用元:東京都健康長寿医療センター研究所(抗酸化ビタミン C, E によるアンチエイジング)より
活性酸素は、ニキビや肌荒れなどのトラブルを引き起こすリスクがあり、その活性酸素の暴走を食い止めることで肌トラブルの改善が期待できます。
その上ビタミンCには、上記の論文のように、コラーゲンの生成をうながす効果も。
コラーゲンは身体の弾力を作るタンパク質なので、レモン水を飲んでビタミンCを摂取することで弾力のある肌を目指すことができるのです。
効果3:からだの内側からスッキリさせる
レモン水には代謝を上げたり活性酸素を除去したりする作用があり、それによって体内に溜まった毒素を効率的に排出してくれます。
そもそも、人間は食事や水分によって栄養補給をしますが、その内容によっては便がうまく排出されずに腸に溜まったり、余分な水分がむくみとして現れたりと身体に良くない変化が現れることも。
しかし、レモン水を飲むことで代謝がうながされ、余分なものが体外に排出されやすくなります。
また、レモン水に含まれるペクチンには、腸の働きを活発化させる作用があります。
【結果】FFを投与した期間に比べEGを投与した期間では、排便日数、排便回数とも有意に増加した。また、副次的に便性状、排便処置実施日数、腸内細菌叢を評価したところ、EGを投与した場合、正常便の割合が有意に増加し、排便処置実施日数が有意に減少した。また腸内細菌叢ではLactobacillalesに増加傾向を認めた。【結論】EGは弛緩性便秘の高齢患者の排便を促進させる可能性が示唆された。
※FF:食物繊維を含まない経腸栄養剤
※EG:ペクチン含有濃厚流動食ハイネイーゲル
※引用元:J-stage(ペクチン含有濃厚流動食が高齢患者の弛緩性便秘に及ぼす影響)より
その作用で便秘が解消されると肌や健康、ダイエットなどさまざまな面にメリットがあるため、こうした腸内環境の改善も大きなデトックス効果といえます。
効果4:疲労を軽減してくれる
疲れの原因ともいえる乳酸が溜まると、だるさにもつながるため、早めに解消したいですよね。
以下の研究によると、レモン果汁にはこの乳酸の除去促進効果が備わっているとしています。
レモン果汁もしくはクエン酸摂取により, 血中のクエン酸濃度は有意に上昇した。運動により上昇した血中乳酸濃度は, レモン果汁もしくはクエン酸被験液摂取により運動終了後の回復期で減少が促進された。これらの結果より, 運動後のレモン果汁もしくはクエン酸摂取は, 血中乳酸の除去を促進することが明らかとなった。
※引用元:CINII(レモン果汁およびクエン酸摂取が運動後の血中乳酸濃度)より
この実験では、レモン果汁とグルコースの混合液を利用し、持久運動をした後の摂取となります。
そのため、「ちょっと疲れたな・・・」と思った時に、試してみるのも良いでしょう。
レモン水の作り方
レモン水の魅力がわかると、いますぐにでも試したくなった方もいるのではないでしょうか。
実はレモン水の作り方はとてもシンプルで、レモンさえあれば簡単に作れます。
- 水
- レモンまたはレモン果汁
- コップ1杯(200ミリリットル)の水にレモン1/2個分をしぼる。100%濃縮還元のレモン果汁を使う場合は、コップ1杯の水に対して小さじ2ほど入れる。
- よくかきまぜて完成!
必要な材料が少なく、しかも覚えやすい分量なので毎日気軽に飲めますね。
生のレモンがあるとより美味しさを味わえますが、ない場合や手軽に済ませたい場合はレモン果汁を活用しましょう。
ただし、レモン果汁には香料が含まれているケースが多いです。
余計なものは極力口に入れたくないという方は、生のレモンを使うことをおすすめします。
ちなみに、生のレモンを使う際には、切る前にレモンを上から少し押しながらコロコロと転がしましょう。
そうすることで中の繊維がほぐれ、絞ったときに果汁が出やすくなります。
また、切るときは横ではなく縦にカットするほうが多くの果汁を絞れるためおすすめです。
種も落ちにくく、見た目がキレイなレモン果汁を絞れます。
レモン水を作るときの3つのポイント
レモン水にはさまざまな効果があるとお伝えしましたが、その効果を最大限に得るためには作り方にコツがあります。
以下では、作る際にぜひ押さえておきたい3つのポイントをまとめました。
ポイント1:ミネラルウォーターで作る
レモン水に使う水は、ミネラルウォーターをチョイスしましょう。
最もおすすめできない水は水道水です。
水道水には塩素が含まれており、その塩素の作用によってビタミンCが破壊されてしまいます。
また水道水は、その安全性についても近年不安視されています。
その点については、以下の記事で紹介していますので、気になる方はこちらにも目を通しておきましょう。
水道水は危険!?おすすめできない理由と安全に水を飲む方法ミネラルウォーターであれば水道水とは違って塩素などの不純物が取り除かれており、しかも身体にうれしいミネラルも含まれています。
栄養価の高いレモン水を作るなら、水にもしっかりとこだわって、ミネラルウォーターを利用しましょう。
水を定期的に利用するのなら、ウォーターサーバーの利用もおすすめです。
今では、月4千円程度で利用できるので、これを機に水への考え方を見直してみるのもいいでしょう。
非公開: ウォーターサーバーおすすめ17選!目的別に選べる比較ランキングポイント2:常温の水か白湯で作る
レモン水を作る際は、冷蔵庫で冷やした冷たい水ではなく、常温水や白湯がおすすめです。
冷たい水をたくさん摂ると身体や内臓が冷え、血行が悪くなったり免疫力が下がったりと身体の不調に繋がります。
常温の水か40℃程度の白湯で作ることで、健康や美容により効果的なレモン水を飲めるのです。
ポイント3:レモンは無農薬のものを使う
生のレモンを使って作る場合は、なるべく国産で無農薬のものを選びましょう。
というのも、レモン汁を絞る際に皮も少し削って入れると、より多くのポリフェノールを摂取できるためです。
輸入されたレモンには、皮に防カビ剤などが塗られているケースが多く、身体への影響が懸念されます。
国産で無農薬のレモンならリスクなしで皮ごと使えるので、レモンにもこだわってレモン水を作りましょう。
レモン水を飲む最適なタイミングは?
レモン水は、飲むタイミングも大切です。
ここでは、より効果を実感しやすい飲み方を押さえておきましょう。
起床後
朝起きてから午前中までは、1日のうちで最もデトックスに適した時間帯といわれています。
寝ている間にコップ1杯分もの汗をかくため、起きてすぐ飲むと栄養素を効率よく吸収できるからです。
また、レモンにはポリフェノールの一種であるリモネンが含まれており、そのリモネンには体内時計をリセットする作用があります。
スッキリと目覚めやすくなるメリットもあるので、ぜひ起床後すぐにレモン水を飲みましょう。
運動前
レモン水には、疲労回復効果のあるクエン酸が豊富に含まれています。
運動前に摂取することで運動により疲労を軽減させてくれたり、エネルギー消費をうながしてくれたりとさまざまなメリットがあります。
エネルギーをたくさん消費できれば、脂肪がたくさん燃焼されるということです。
運動前にレモン水を飲むことで、通常よりも効果的なダイエットが期待できます。
夕食後
レモン水には代謝アップの効果が期待できますが、夕食後に飲むことで、寝ている間に活発に働く成長ホルモンの分泌をうながし、より代謝効果が高まります。
また、リモネンの働きによって自律神経が整い、ぐっすりと良質な睡眠をとることができるのです。
レモン水を飲む際の注意点
先ほど「レモン水は起床後に飲むと効果的」とお伝えしましたが、それに関してひとつ注意点があります。
それは、レモン水を朝に飲んだら紫外線対策をきちんと行う必要があることです。
実はレモンには、光毒性のソラレンという物質が含まれています。
そのソラレンを摂取したあとに肌が紫外線にさらされると、紫外線の吸収が高まってしまうのです。
レモン水を飲んでから1時間が最も紫外線に反応しやすいため、その間はなるべく外出しないようにしましょう。
もしも飲んですぐに出かける場合は、いつもより日焼け対策をしっかりと行うことが大切です。
また、レモン水の飲みすぎにも注意しましょう。
特に胃腸が弱い方が大量に飲むと、胃や内臓に負担がかかって体調不良になる恐れがあります。
一気にたくさんの量を飲まずに、少量を複数回に分けて飲む方法がおすすめです。
また、レモン水は酸性度が強く、日常的に飲むことで歯のエナメルが削られるリスクがあります。
飲んで1時間は歯磨きをしないように注意して、エナメルへの負担を最小限に抑えましょう。
レモン水をアレンジしてしっかりと継続
レモン水を試したい方の中には、
と不安を抱える方もいるでしょう。
ここでは、そんな方に向けてレモン水のアレンジレシピを3選紹介していきます。
どれも手軽に試せるものですので、ぜひ挑戦してみてくださいね!
アレンジ1:ハチミツレモン
ハチミツレモンは、独特の酸味が苦手という方におすすめのアレンジレシピです。
作り方は、レモン水にハチミツを加えるだけ。
ハチミツの量は、お好みの甘さになるまでで、かき混ぜながら入れると良いでしょう。
これなら、小さなお子さんと一緒に楽しむこともできますね!
アレンジ2:レモンジンジャー
レモン水だけでも、これまでに紹介した効果が期待できますが、そこへジンジャーを加えればカラダを温めてくれる効果もプラスされます。
作り方は、以下の2ステップ。
- 鍋にショウガのスライスを入れ中火で火にかけます。
- 沸騰後にレモンスライスを入れて火を止め、粗熱を取るため冷蔵庫で冷やせば完成。
少し手間はかかりますが、カラダが冷えたときには最適なドリンクとなります。
アレンジ3:レモンスカッシュ
レモン水にパンチを求めるのなら、レモンスカッシュも自作してみましょう。
といっても作り方は至ってシンプルで、レモン水の水を炭酸水に変えるだけ。
甘さも欲しいのなら、お好みでハチミツやアガベシロップで甘味をプラスしてもいいでしょう。
レモンの効果だけでなく、炭酸水のいいところも一緒に摂取できます。
レモン水でスッキリ爽やかな毎日を過ごそう
少ない材料で簡単に作れるレモン水は、タイミングを意識して飲むことでその効果がさらに高まります。
飲むだけで、ダイエット効果やデトックス効果をはじめ、美容効果や疲労回復効果などさまざまなメリットを得られるおすすめの飲みものです。
ただ実際にネットで検索してみると、まだまだ過剰な表現も見受けられます。
レモン水は、あくまで食品であり、万能な薬などではありません。
生活習慣も併せて見直す必要があるのです。
しっかりと、研究のデータなどにも目を通して、情報をご自身でも集めてから効果は判断していってください。
ぜひ身体に優しいレモン水を摂取して、身体の内側からキレイを目指しましょう。