安全で美味しい水を毎日飲みたい…そんな希望を叶えてくれる、「浄水器」や「整水器」。
ペットボトルやウォーターサーバーに比べてコスパがイイ!と人気沸騰中で、これから購入を考えている方も多いのではないでしょうか。
でも、浄水器と整水器って名前が似ていて、イマイチ違いがわかりませんよね。
せっかく購入するなら、それぞれの特徴をしっかり把握して、後悔のないように選びたいものです。
そこで今回は、浄水器と整水器の違いを徹底調査。メリット・デメリットをチェックしながら、どちらが自分に合っているのかクリアにしていきます。
また、商品を選ぶ際のポイントや、今話題の「活水器」との違いについても必見です。ぜひ購入の参考にしてみてください。
もくじ
何が違う?浄水器と整水器の違いを徹底比較
一見同じように見える浄水器と整水器ですが、実はさまざまな点で違いがあります。
何がどう違うのか、以下の表で見ていきましょう。
浄水器 | 整水器 | |
機能の違い | 水道水をろ過し、不純物や有害物質を除去または減少させる | 水道水をろ過して浄水にし、さらに電気分解する |
生成できる水の違い | 浄水 | ・アルカリイオン水(電解水素水)
・浄水 ・酸性水 |
本体の形状の違い | ・蛇口直結型
・蛇口一体型 ・据え置き型 ・アンダーシンク型 ・ポット型 など |
・据え置き型
・アンダーシンク型 など |
価格の違い | 1,000円~100,000円程度 | 30,000円~150,000円程度 |
パッと目を通しただけでも、浄水器と整水器がまったくの別物であることがわかります。
では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
機能の違い
まずはそれぞれの機能の違いから見ていきましょう。
浄水器の場合
浄水器の機能は、水道水をフィルターに通すことで、残留塩素や有害物質などを取り除くというものとなります。
フィルターに使われている「ろ材」にはいろいろな種類があり、どの「ろ材」を使っているかで除去できる物質の種類や数が異なります。
整水器の場合
それに対して整水器は、浄水器と同じように水をフィルターに通して不純物を取り除いたあと、電極によって電気分解するしくみです。
「電気分解」というと難しく聞こえますが、構造はいたってシンプル。プラス極とマイナス極という2本の電極に電気が流れていて、浄水された水がこの電極層を通過するときに水分子が分解されます。
具体的には、水にはプラスイオンを帯びた分子とマイナスイオンを帯びた分子がミックスされていて、電極層を通ることで、
- プラスイオンの分子はプラス極に
- マイナスイオンの分子はマイナス極に
それぞれ引き寄せられる…というわけです。
- プラス極に引き寄せられた分子は酸性
- マイナス極に引き寄せられた分子はアルカリ性
をそれぞれ示すので、「酸性水」と「アルカリイオン水」に電気分解できるしくみになっています。
本体の形状の違い
浄水器と整水器は、本体の形状にも大きな違いがあります。
浄水器の場合
浄水器にはいろいろな形状があり、
- 蛇口に直接取り付けるコンパクトな「蛇口直結型」
- 水栓と一体化した「蛇口一体型」
- シンク上に設置する「据え置き型」
- シンク下に取り付けて隠す収納が可能な「アンダーシンク型」
など、種類が豊富です。
整水器の場合
一方整水器の場合は、「据え置き型」と「アンダーシンク型」が主流。蛇口に直接取り付けられたり、蛇口と一体になっているタイプはありません。
というのも、整水器には浄水カートリッジとは別に、水分子を電気分解するための「電解槽」が必要です。
そのため、浄水器と比べると必然的にサイズが大きくなり、相応の設置スペースを必要とします。
価格の違い
価格の面では、とくに大きな違いがあります。では順に解説していきます。
浄水器の場合
浄水器の価格はピンキリで、最もリーズナブルなポット型タイプを選べば1,000円台から購入できます。
そして据え置き型やアンダーシンク型は、数万円程度が相場です。
整水器の場合
整水器は形状が大きいことや構造がより複雑なことから、浄水器よりも高額。10万円を超すタイプもたくさんあります。
浄水器プラスαの機能を持っていることを考えれば、浄水器よりも高めなのは納得です。
生成できる水と活用方法の違い
浄水器が生成できる水は「浄水」のみです。
一方整水器は、先にお伝えした表の通り、
- 浄水
- 酸性水
- アルカリイオン水
と3種類の水を生成することができます。
これら3つの水の特徴と用途(活用方法)はそれぞれに異なりますので、ここでしっかりと押さえておきましょう。
浄水の活用方法
水道水から不純物を取り除いた水。水道水に含まれているミネラルはそのまま残っています。
飲み水として利用できることはもちろん、
- 赤ちゃんのミルク作りや白湯
- 薬の服用時
- 毎日のお料理
などと、幅広く活用できます。
酸性水の活用方法
pH(水素イオン濃度)4~6の、弱酸性の水。
肌に近いpH値で、洗浄作用や引き締め効果があることから、洗顔や入浴に最適です。
消毒作用もあり、肌を健やかに保つことにも一役買ってくれます。
とくにおすすめな使い方は、食器洗いに使うこと。洗うだけでしっかり除菌してくれるので、日々の衛生管理にも役立ちます。
料理にも使えて、たとえば天ぷらの衣作りに使えばサクッとした仕上がりにもなるでしょう。
ゆで卵をゆでるときの水に使えば、殻がつるんと剥けやすくなるなど、メリットがたくさんあります。
飲み水としては利用できないため、その点だけ注意しましょう。
アルカリイオン水の活用方法
pH9~10の、弱アルカリ性の水。水素を多く含んでおり、「電解水素水」とも呼ばれます。
と評判になっている通り、私たちの身体へのメリットはたくさんあります。
胃腸症状の改善に
なかでも注目したいのが、胃腸症状を改善する効果があるということでしょう。
お通じを良くしたり、胃もたれを和らげたりなどの効能が医学的に認められていて、医療現場でも多く使われています。
これの詳しい内容については、以下の記事で詳しく紹介しています。
アルカリイオン水の効果を大調査!ネット上で噂されるものは嘘?本当?健康維持のために
また、健康維持のサポート役としても活躍できることもうれしいポイントです。
私たちの体内はもともと弱アルカリ性ですが、日々のストレスや偏った食生活が原因で酸性に傾いてしまいます。
そうすると疲れを感じやすく、病気にもかかりやすい状態にもなり兼ねません。
アルカリイオン水には酸化したものを中和して元に戻そうとする力があるので、摂取すれば健康の維持につながるというわけです。
料理もよりおいしく
料理にも適していて、特におすすめなのが「煮物」に使うこと。素材に含まれている成分をたくさん抽出する作用があるため、旨みたっぷりの煮物が作れます。
この抽出効果は、ゴボウなどアクが強い野菜のアク抜きに、そしてコーヒーやお茶などを淹れる際にと大活躍です。
浄水器のメリット・デメリットは?
浄水器と整水器の違いがわかったところで、ここからはそれぞれのメリット・デメリットに注目していきます。
まずは、浄水器を使うとどのような魅力があるのか、そしてどのような不都合があるのかをチェックしましょう。
浄水器のメリット
- 安全で美味しい水を生成できる
- 製品タイプのバリエーションが豊富
- 初期費用を抑えられる
安心でおいしい水を生成できる
「日本の水道水は安全」と言われていますが、それでも残留塩素やカビなどの不純物は混ざってしまっています。
日本の水道水の成分!沸騰したら飲める?安全性は?浄水器があれば、それらを取り除いて安全で美味しい水を生成できるので、毎日の食生活がより健康的になるでしょう。
製品タイプのバリエーションが豊富
そして浄水器は形も大きさもさまざまで、キッチン環境や使い方に合ったものを選べることも魅力です。
タイプによって価格帯もいろいろなので、予算重視で選ぶこともできます。
初期費用が抑えられる
浄水器については、「蛇口直接型」や「ポット型」を選ぶことで、初期費用がグッと抑えることができます。
整水器では数万円以上が基本でも、浄水器であれば1,000円前後から手に入れることができるので、すぐにでも切り替えることができるでしょう。
浄水器のデメリット
- 製品によって浄水能力に差がある
- 浄水しか生成できない
- 浄水は日持ちしない
製品によって浄水能力に差がある
一口に浄水器と言っても、その質はピンキリです。
最低限の不純物のみ除去できる簡易なものから、不純物を限りなく除去して純水をつくれる高性能なものまであります。
やはり浄水能力が高いものは高額なので、予算との関係でどのタイプにするべきか難しいところ。
選べる選択肢が多い分、商品の絞り込みに苦労する方が多いようです。
また、整水器のようなプラスαの機能を求める方には、浄水器は不向きです。
あくまで、「水道水をより安全に飲むための機器」だということを認識しておきましょう。
浄水しか生成できない
浄水器はその特性上、水道水をろ過した浄水しか生成することができません。
ただし、ただ水道水をより安全に利用したいという理由だけであれば、わざわざ整水器を利用する必要はないでしょう。
明確な目的があるときに限り、整水器は選択すべきともいえます。
浄水は日持ちしない
基本的に浄水器など水道水の不純物を除去するものは、水道水の雑菌繁殖を防ぐための残留塩素まで除去してしまいます。
そのため、除去されたあとの水に関しては、空気に触れることで雑菌を含んでしまい、またその雑菌が繁殖してしまうため衛生面でもよくありません。
とはいっても、浄水した直後はもちろんキレイなため、極力早い段階で飲み切るようにしましょう。
目安としては、冷蔵庫で2日が限度となります。状況に合わせて判断するようにしましょう。
整水器のメリット・デメリットは?
次に、整水器のメリット・デメリットをご紹介します。
整水器のメリット
- 安全で美味しく、機能性の高い水を生成できる
- 浄水、酸性水、アルカリイオン水と3種類の水をつくれる
- 医療機器として使われているタイプもあり信頼性が高い
安全で美味しく、機能性の高い水を生成できる
浄水機能が付いていることから、浄水器と同様に安全で美味しい水をつくることができます。
浄水、酸性水、アルカリイオン水と3種類の水をつくれる
さらに電解機能があることによって、健康や美容にメリットのある「アルカリイオン水」や「酸性水」の生成も可能です。
医療機器として使われているタイプもあり信頼性が高い
特にアルカリイオン水に関しては、胃腸症状に一定の効果があると医療現場で勧められているほどで、信頼して使うことができる点も大きなメリットとなるでしょう。
整水器のデメリット
- 浄水器に比べて本体価格が高い
- 整水を飲めない人もいる
- 整水も日持ちしない
- 食器の種類によっては使用できない
浄水器に比べて本体価格が高い
整水器は、高機能であるがゆえに価格も高めとなります。
設置工事もマストなので、浄水器ほど気軽に購入できません。
整水を飲めない人もいる
そして注意したいのが、アルカリイオン水を飲めない人もいることです。
たとえば赤ちゃんや乳幼児、腎臓に持病がある人などは避けた方がいいとされています。
さらに、薬を飲んでいる人にも適していません。
整水を飲めない人は浄水機能のみ使えばいいのですが、ついうっかり整水を飲んでしまうことも考えられるため、慎重に検討する必要があります。
整水も日持ちしない
整水器を利用している場合も浄水器と同様の理由からで、水自体に雑菌が繁殖してしまいます。
こちらに関しても、なるべく早い段階で飲み切るようにしてください。
食器の種類によっては使用できない
整水では3種類の水が生成されますが、アルカリイオン水では、アルミが溶け出す可能性があることから、アルミでできた食器には使用しない方がいいでしょう。
また酸性水の場合では、銅素材の食器に使用しない方がいいでしょう。酸と銅が化学反応をおこし、変色する可能性があります。
これらを考えると、食器を洗う際に使用する水は、浄水にしておくのが無難となります。
自分に合っているのは浄水器?整水器?判断する秘訣とは
それでは、これまでご紹介した特徴やメリット・デメリットを踏まえた上で、自分に合っているのは「浄水器」なのか、それとも「整水器」なのか、しっかり見極めていきましょう。
まず注目すべきポイントは、「水に+αの機能を求めるか」ということ。
健康や美容にこだわりを持っていて、
という方には、整水器がぴったりです。
という方には、浄水器がおすすめです。
どちらにしようか迷ったら、実際に使っている人の口コミをチェックしてみましょう。
どんな基準で選んだのか、普段どんな使い方をしているのかいろいろなケースを見ることで、理想形が自然と見えてきます。
浄水器と整水器!賢い選び方3つ
浄水器にするか整水器にするか決断したら、いよいよ商品選びです。
たくさんのメーカーがいろいろなタイプの商品を販売しているので、1つに絞り込むのは至難の業かもしれません。
でも、これからご紹介する3つのポイントを軸にすると、商品選びがぐんと楽になります。
選び方1:コスパの良さに注目する
商品を見比べていると、つい本体価格にばかり目が行ってしまうものです。
もちろん本体価格も重視すべきですが、大切なのは「ランニングコスト」をしっかり確認しておくこと。
いくら本体価格が安くても、カートリッジやフィルターが想像以上に高かったら本末転倒です。
また、取り付ける際に別途部品が必要になり、
というケースもよくあります。
また、価格と機能のバランスを見ることも大切なポイントとなります。
安かろう悪かろうでは、せっかくのお買い物が後悔で終わってしまいます。
「満足できる機能を持っているか」を大前提とした上で価格に注目し、コスパの高い浄水器や整水器を選びましょう。
選び方2:キッチンに合うかどうか
もしも形状で迷ったら、自分のキッチンに合うかどうかで決めるのがスマートです。
たとえば、シンク内が狭いのに「蛇口直結型」を選んでしまうと、突起が邪魔で洗い物に支障が出る可能性があります。
メーカーによっては、取り付けられる蛇口の種類が限定されていて、我が家にはマッチしない…という場合もあるでしょう。
また、いくら「アンダーシンク型」がいいと思っても、シンク下の環境によっては取り付けることができません。
購入してからあたふたすることがないよう、まずは自分のキッチン環境を見ながら、どんな形状がベストなのか考えてみましょう。
その上で具体的に商品をチェックし、問題なく設置できるかどうかを判断することが大切です。
選び方3:カートリッジなどの交換時期をチェック
どの浄水器や整水器でも、カートリッジを交換する必要があります。
ただし、その交換時期はまちまち。蛇口に取り付けるタイプは2~4ヵ月に1回が目安で、据え置き型やアンダーシンク型だと半年~1年に1回が目安です。
また、商品によっては、カートリッジ以外の部品も定期交換が必要となります。
何をどのタイミングで交換し、その時にどのくらいの価格負担があるのか、あらかじめ確認しておきましょう。
今話題の「活水器」との違いについて
「浄水器」「整水器」…と調べていると、新たに「活水器」というワードが出てきて興味を持った方も多いでしょう。
実は活水器は、浄水器や整水器とはまったく違います。
簡単に言うと、水道水にエネルギーをプラスして活性化させ、水本来が持つ力を引きだすというもの。
使われているのは、磁石やセラミック、溶岩石などが多いです。それらが水道管を外側から挟み込む形状になっていて、そこから出る磁気や波動が水に作用するというしくみになっています。
活水器を通した水は、以下のような特徴があります。
- 味がまろやかで美味しい
- 洗い物に使うと油汚れが落ちやすい
- 劣化しづらいため赤ちゃんのミルク作りにも最適
また、浄水器や整水器のようにフィルター交換も不要で、初期費用のみで長く愛用できる点も魅力です。
ただし、フィルターがない分、水道水に含まれている残留塩素を除去することができません。
また、磁気や波動による効果は科学的に実証されたものではないため、現時点では少々信頼性に欠けることもデメリットといえます。
なかには浄水機能付きの活水器もあるので、単なる活水器では不安という方にはそちらのタイプをおすすめします。
これまでにない「次世代の機能水」に興味がある方、ぜひチェックしてみてください。
浄水器と整水器の違いを理解して健康的な生活を始めよう
今回は、浄水器と整水器の違いやメリット・デメリット、選び方のポイントなどをご紹介しました。
一見同じように見えますが、実はさまざまな違いがある浄水器と整水器。その違いをきちんと把握しておくと、どちらを選ぶべきか、どんな商品が自分に合っているのかが一目瞭然です。
ぜひ最適なタイプを見つけて、美味しくて身体にやさしい水ライフを楽しみましょう。