スーパーで買い物するとき、片隅にある無料の水が気になっている方もいるのではないでしょうか。
「無料で水がもらえる」というと聞こえがいいものの、どんな水かわかりません。
また、無料でもらえる水ということで、何か裏があるのではないかと勘繰ってしまう方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、スーパーでもらえる無料の水への以下のような疑問について、わかりやすく答えていきます。
- そもそも無料の水の正体は具体的にどんなものなの?
- なぜ無料で提供されているの?
- 安全性に問題はないの?
- 利用しない方がいいケースはある?
これさえ読めば、あの水がどんな水なのか、安心して飲める水なのかどうか、すべて丸わかりですよ!
では早速始めていきましょう!
もくじ
スーパーで無料の水の正体はRO水!
まず、スーパーの無料の水の正体を明かします。
あの水は、「RO水」と呼ばれる水です。
RO水とは
RO水とは、限りなく純水に近い状態の水のこと。
RO膜と呼ばれる、0.0001ミクロンの超微細孔フィルターで濾過した水です。
このフィルターは水分子しか通さないほど目が細かく、放射性物質ですらも除去してしまうほどの浄水能力を持ちます。
ROとは「Reverse Osmosis」のことで、日本語では「逆浸透膜」と呼ばれることもあります。
スーパーのRO水はなぜ無料?
あの水の正体がRO水だとわかったところで、なぜ無料なのでしょうか?
その理由をご紹介します。
集客効果を狙ったもの
まずいえるのは、RO水自体には利益を求めていないこと。
「無料」という言葉に弱い人が多いので、無料の水がもらえるという話を聞けば、「とりあえずもらおうかな」と思う方も多いのではないでしょうか。
しかも飲み水は、生きるために誰もが必要とするものなので、水にまったく興味がないという人はいません。
基本的に好き嫌いに左右されることがないので、より多くの人を集客する効果があります。
水をもらうついでに買い物してもらえる
スーパーでもらえる無料のRO水のウォーターサーバーは、だいたい入り口付近に設置されています。
入口付近で水をもらってすぐに帰ることもできますが、日本人の国民性や気質からして、
と考える人が多数派です。
そのため、適当に買い物してくれたり、買う予定がなかったものも衝動買いしてくれたりするなど、水につられて来店した人が買い物することによって、利益をあげることができます。
専用ボトルの購入でリピーターを増やす
また、スーパーの無料RO水は、専用のボトルに水を入れなくてはいけません。
つまり、自宅にあるヤカンやピッチャーは、スーパーにあるRO水用のウォーターサーバーには使えないのです。
そのため、スーパーにあるRO水用のウォーターサーバーで水をもらうには、専用ボトルを購入しなくてはいけません。
専用ボトルは、一回だけ水を汲むためのものとしては、高額に設定されています。
そのため、専用ボトルの元を取るためにも、そのスーパーのリピーターにならざるを得ないのです。
ジャストサイズのボトルしか入らないサーバーも
決められた専用ボトル以外は入らないので、他のスーパーのボトルも使えないことがほとんど。
ボトルを購入したスーパーがチェーン店の場合は、他の店舗で使える可能性もあります。
もし専用ボトルより小さいボトルを持ち込んでも、ウォーターサーバー内にぴったりはまらないと給水が始まらない仕組みのものも、中にはあるでしょう。
その場合、給水ボタンを押しても水は注がれません。
そのため、スーパーのRO水をもらうには、専用のボトルを購入することが必須となるわけです。
ボトル代が収入になる
その専用ボトルは有料なので、ボトル代がスーパーの収入になります。
ボトルは1本500円とかで、安すぎず、高すぎない価格設定です。
ボトル代は基本的に一定なので、ボトルの収入で顧客数を把握することもできます。
買い替えや買い増しも考えたら決してスーパーにとってマイナスではない
家族複数人で来店する場合、人数分のボトルを購入して一度に多くの水を持ち帰ろうとする客もいるでしょう。
また、何度も無料RO水サーバーを利用すると、ボトルも少なからず劣化するので、ボトルを買い替える客も現れます。
そうすると、同じ客が複数個のボトルを購入することになるわけです。
そうすれば、スーパーの利益が増えるので、スーパーにとっても決して悪い話ではありません。
原価が安い
また、かなり大事な大前提として、スーパーのRO水は原価が格安であることも理由のひとつ。
RO水は0.0001ミクロンの超微細孔フィルターで濾過するので、ミネラルウォーターや天然水をベースにしても、ミネラル成分ですらほとんど除去してしまいます。
そのため、悪い言い方をすれば、わざわざ原水で良い水を用意する必要がありません。
スーパーの無料の水は水道水がベースの場合がほとんど
そういうことなので、スーパーの無料RO水は水道水をベースにしていることがほとんどです。
水道水なので、毎日不特定多数の人が無料で水を汲んでも、損失はたかが知れています。
また、人数あたりのボトルの持ち込み制限を設けているスーパーがほとんどなので、無料の水を用意したところで、誰もが無制限に水を汲めるわけではありません。
スーパーのRO水のメリット
ここからは、スーパーのRO水のメリットを2つご紹介します。
1:無料でもらえる
なんといっても、無料でもらえるのは大きなメリットです。
毎日の飲み物や料理に使うものなので、水に一切お金をかけない人はいません。
誰もが少しはお金をかけるところだからこそ、スーパーに行けば無料でもらえるのは大きなメリットです。
微々たるものだとしても節約に
たとえば毎日1L飲むとして、毎月で節約できる水代は約30L分。
とある家電メーカーが販売するタテ型洗濯機で、「水量少なめ」の設定で洗濯するときの一回あたりの水の量が、約35Lとされています。
つまり、一カ月の節約量は洗濯一回分くらいにしかなりません。
それでも、「塵が積もれば山となる」ので、節約の価値はあります。
2:水道水そのままよりは安心感がある
RO水は不純物を徹底的に除去するので、たとえ水道水がベースだとしても、そのまま水道水を飲むよりは安心感を覚える方も多いのではないでしょうか。
住んでいる地域によって、水道水でもおいしく飲める場所と、とてもじゃないけど水道水は飲めないという場所に分かれます。
また、仮にその地域の水がキレイだったとしても、水の通り道である給水管自体が汚れていては、せっかくのキレイな水も台無しです。
老朽化しサビだらけの給水管や、マンションなどの給水タンクが藻やカビなどで汚れていることは、決して珍しいことではありません。
つまり、水道水を心底安心して飲むとなれば、そうした不純物を徹底的に取り除かなくてはならないのです。
スーパーのRO水は不純物はほぼ除去されている
スーパーのRO水では、不純物が徹底的に取り除かれるので、料理などに活用するのにぴったりです。
RO水は味があまりしないといわれていますが、水の味にこだわりがない方であれば気にならないでしょう。
またRO水は、ミネラル成分までも除去されているため、硬度がかなり低いの特徴です。
硬度が低いと、水の性質上では浸透力があがりますから、ダシをとる際などは早く濃いダシが仕上がるようになります。
お米を炊くときに使えば、お米に水分が吸収され、ふっくらとツヤツヤした仕上がりにもなるでしょう。
スーパーのRO水のデメリット
続いて、スーパーのRO水のデメリットを3つご紹介します。
1:RO水は傷みやすい
まず、RO水は塩素などの殺菌成分が一切入っていないので、傷みやすいのが特徴。
たとえ冷蔵庫で冷蔵保存しても、日持ちはしません。
早めに飲み切るように心がける
また、スーパーのRO水はボトルに水を詰め終えてから、蓋をするのはボトルの持ち主です。
ボトリングが終わったら自動で蓋をしてくれるわけではないので、一般的に家庭で使われるRO水のウォーターサーバーと異なり、ボトルの水は真空パックされているわけではありません。
そのため、ボトリングのあとに開封したかどうかにかかわらず、長くとも2~3日以内には使い切るようにしましょう。
2:RO水自体の味があまりないといわれている
前述のとおり、RO水自体があまり味のしない水として知られています。
そのため、水の味にこだわりたい方にとっては、スーパーの無料RO水は物足りない可能性も。
ミネラルなども除去しすぎてしまうのが原因
RO水に味がしないといわれている理由は、味の理由とされている水に含まれるミネラルも必要以上に取り除いてしまうからです。
とはいえ、RO膜は0.0001ミクロンの超微細孔フィルターなので、ミネラルが残ったらそれはそれで不純物が入りこんでしまうため問題でしょう。
味がしなくても、RO水に問題があるわけではなく、むしろ「不純物が限りなく取り除かれている安心できる状態」となっているだけなのです。
3:サーバーのメンテナンスが行き届いているかわからない
そして、最大のデメリットがこちらです。
スーパーのRO水ウォーターサーバーは、メンテナンスが行き届いているかわからないこと。
もちろん、メンテナンスがまったく行き届いていないことはないと思いますが、
- どれくらいの頻度で
- どんなメンテナンスを実施しているのか
などは、私たち利用者には不明です。
サーバー自体不特定多数が触れるので不安に感じる人も
少なくとも、スーパーにあるRO水ウォーターサーバーは冷水専用なので、高温水が循環して熱殺菌するようなタイプではありません。
また、スーパーのRO水ウォーターサーバー自体が業務用なので、家庭用ウォーターサーバーにはないレベルで業者にしっかりメンテナンスしてもらう可能性もあります。
しかし、実際のところはどうなのかはわからないですし、把握する手立てもありません。
さらに、たとえスーパーにあるRO水ウォーターサーバーが定期的に専門業者にメンテナンスしてもらっているとしても、不特定多数が触れるものです。
極端なたとえ話をすれば、インフルエンザにかかっているけど一人暮らしだから食料を買いにスーパーに来た人が、マスクをせずに水を汲んでいる可能性もあります。
そう考えると、なんだか怖くなってきますよね・・・。
結局のところ、スーパーの無料RO水は、「無料だから仕方がない・・・」ということになってしまうのかもしれません。
さて次項では、ここで紹介してきたデメリットを踏まえ、「スーパーの無料RO水がおすすめできないケース」を紹介していきます。
スーパーの無料RO水がおすすめできないケース
では早速「スーパーの無料RO水がおすすめできないケース」について、3つほど紹介していきます。
これらに当てはまるケースでは、別の方法で安全な水を手に入れた方が良いかもしれません。
では順に紹介していきますね!
水の消費量が少ない場合
まず一つ目は、水の消費量が少ない場合です。
この場合では、短期間で水を消費しきれずに、衛生状態を悪くしてしまう可能性があります。
とくにボトルを毎回しっかりと洗浄しておらず、そもそも雑菌が繁殖しやすい状態のボトルだとしたら、さらに怖いですよね・・・。
そのため、一人暮らしなどであまり水を消費できない場合では、市販のペットボトルを購入していた方が圧倒的に衛生面で安心できるのです。
もし仮にご自宅がスーパーに近い所にあれば、毎日のように汲みに行けますが、そうでなければ汲みに行く作業は負担でしかありません。
その労働面と金銭面は天秤にかけて、しっかりと考えた方が良いでしょう。
赤ちゃんのミルクづくりに使う場合
次は、赤ちゃんのミルクづくりに使う場合です。
この点についても、お察しの通り、衛生面が大きく関係しています。
大人ならまだしも、からだが未発達の小さなお子さんに、安全性のわからない水を与えるのは不安ですよね。
だからこそ赤ちゃんのいるご家庭では、水へのあり方について、よく考える必要があるのです。
この対処法については、後に紹介しているので、今はこのまま読み進めていきましょう!
飲料水として活用する場合
最後が飲料水として、スーパーの無料RO水を利用する場合です。
煮沸などをするのであれば、特別問題はないかもしれません。
しかし衛生状態に安心ができない以上、汲んできた水をそのまま飲料水とすることは、あまりおすすめできないのです。
RO水は、ただでさえ日持ちのしない雑菌繁殖のしやすい水。
生成したては安心でも、サーバーの注水口や自己管理しているボトルの汚れ具合によっては、すぐに雑菌だらけの水となってしまいます。
この点について、スーパーの無料RO水で安心するためには、煮沸は欠かせない作業といえるでしょう。
結論:スーパーの無料RO水はおすすめできない
結論、ここまでの話を踏まえると、スーパーの無料RO水はおすすめできません。
- 「水が日持ちしない」
- 「水の衛生面のコンディションが保証できない」
- 「自宅へ持ち帰らなくてはいけない」
と3点のデメリットが大きく影響するためです。
最初の2点はすでに説明しましたが、最後の1点、自宅に持ち帰らないといけないのは、かなり大きなデメリットではないでしょうか。
スーパーの無料RO水のボトルは、基本的に容量数リットルです。
水は1L当たりの重さが1kgなので、スーパーの無料RO水に給水すると、荷物がその分だけ増えます。
スーパーから駐車場や自転車のカゴに積んで家に戻れるならいいですが、電車など公共交通機関を使っての移動だと、かなりの重労働です。
また、たとえ車や自転車で持ち帰っても、自宅の駐車場や駐輪場から自宅のキッチンなどまで運ばないといけないので、やはり重労働といえるでしょう。
毎日体内に取り入れるものだからお金をかけてもこだわるべき
また、衛生面が保証できない以上、たとえ無料だとしてもそのまま使うべきではありません。
とくに先ほど「スーパーの無料RO水がおすすめできないケース」で挙げた3つのケースでは、スーパーの無料RO水を避けるべきでしょう。
水は毎日体に取り込むもので、わたしたちの健康に直結します。
無料で安全かどうかもわからない水を飲むのであれば、お金をかけてでも安全な水を飲むのがおすすめです。
ウォーターサーバーならRO水でもメリットが大きい
そこでおすすめなのが、家庭用ウォーターサーバーの導入です。
家庭用ウォーターサーバーなら、水代は有料ですが、スーパーの無料RO水のデメリットをすべてカバーできます。
ウォーターサーバーなら賞味期限が長い
水の賞味期限は、短くても半年から1年、長いと数年です。
半年だとしても、スーパーの無料RO水よりはずっと賞味期限は長くなります。
つまり、この賞味期限が長いことは、災害時の備蓄水としても活躍できるということです。
とくに小さなお子さんのいるご家庭では、いざという時備えは徹底しておきたいですよね?
ウォーターサーバーなら、定期的に新鮮な水が配送されてくるため、備蓄水も常に新鮮な状態となるのです。
これなら、消費期限を気にする手間もなく、いざという時の水も安心できますね!
ウォーターサーバーなら安全性も高い
続いて衛生面ですが、家庭用ウォーターサーバーの水は基本的に無菌室などのクリーンな環境で補填。
ウォーターサーバー会社の大半は、独自で厳しい検査項目を設けて、日々水質検査を行っているものです。
たとえば、サントリー天然水のウォーターサーバーでは、独自検査項目として200項目を超える検査を徹底的に行い管理しています。
もちろん、わたしたちの手元に届くのは、その厳しい検査にクリアした水のみです。
これを聞くだけでも、その安全性がスーパーの無料RO水とは桁違いだということが、お分かりいただけるのではないでしょうか。
また、ボトルも大半のウォーターサーバーでは使い捨てです。
リターナブルボトルの場合でも、工場でしっかり殺菌洗浄したものを使用しているため、この点でも安心ができます。
ウォーターサーバーなら重たい思いをして持ち運ばなくていい
そして、家庭用ウォーターサーバーであれば、わざわざ重い水を駐輪場や駐車場から持ち運ぶ必要はありません。
自宅まで届けてくれるので、腰痛や肩こりを抱えている方でも安心して利用できます。
これらの理由から、スーパーの無料RO水を使うなら、家庭用ウォーターサーバーがおすすめです。
またもし、
というのであれば、「次世代型ウォーターサーバー」とも呼ばれる種類のウォーターサーバーを検討すると良いでしょう。
このタイプは、自宅の水道水を原水とするため、定額(月4,000円前後)で好きなだけキレイな水をいつでも利用することができる優れものです。
このウォーターサーバーについては、以下の記事でも紹介していますので、サッと目を通してみてください。
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今回は、スーパーでもらえる無料の水の正体や、その安全性、味などについてご紹介しました。
スーパーでもらえる無料の水の正体はRO水、その安全性と味などは決して手放しで安心できるものではありません。
水は毎日飲むものです。
そのため、味はともかく安全性にはこだわりたいところ。
特に赤ちゃんのいるご家庭では、より安全性に配慮されたものを求めるべきでしょう。
家庭用ウォーターサーバーは月に4千円程度かかりますが、逆に言えばそれだけで、スーパーでもらえる無料のRO水のデメリットをカバーできます。
家庭用ウォーターサーバーを導入して、体内に取り込む水から健康的な生活を始めましょう!