無料で水を飲めるように、さまざまな施設に設置されている「冷水機」。気軽に水分補給ができるため、多くの人に利用されています。
なかには「今まさに冷水機の導入を検討している」という方もいることでしょう。
しかし、ウォーターサーバーの普及率が上昇傾向にある一方で冷水機は需要が少なくなってきており、冷水機に関する情報があまり出回っていません。
そこで、今回は冷水機を徹底調査。冷水機の仕組みはもちろん、設置するメリット・デメリット、衛生面に関する注意点まで詳しく解説します。
おすすめ商品もご紹介するので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
もくじ
そもそも冷水機って何?
まずは、冷水機とはどのような機器なのか、基礎知識を押さえておきましょう。
冷水機とは
冷水機とは、飲料水を冷やして供給する電気製品のことです。
別名「ウォータークーラー」とも呼ばれる冷水機の歴史は意外と古く、1906年にアメリカで作られた「飲料用噴水」がルーツであるとされています。
その当時は、腸チフスという感染症が流行しており、その感染源は汚染された飲み水や食物がメインでした。
そのため、安全な水を広く供給することを目的として冷水機が作られ、当初氷で冷やしていたものが現在のような電気で冷却するスタイルへと進化を遂げたのです。
ウォーターサーバーとの違い
冷水機と聞くと、ウォーターサーバーと混同して考える方もいるかもしれません。
しかし、冷水機とウォーターサーバーはまったくの別物です。
大きく異なる点は、ウォーターサーバーは冷水だけでなく温水も利用できることです。
冷水機は冷水のみしか利用できないため、その点が確実な違いといえます。
もし、「ウォーターサーバーから選びたい」というのなら、以下の記事が参考となります。
きっと、ぴったりの1台がみつかるはずです。
非公開: ウォーターサーバーおすすめ17選!目的別に選べる比較ランキング冷水機が設置されている場所
冷水機は、主に以下のような場所に設置されています。
- 駅
- 学校
- 図書館などの公共施設
- 飲食店
- 銭湯
- フィットネスジム
- パーキングエリア
上記のスポットに共通している点は、人が多く集まる場所であることです。
そのような場所にウォーターサーバーを設置すれば、大変重宝されることは間違いありません。
しかし、ウォーターサーバーのほうがランニングコストは高額なので、運営側の負担が大きくなってしまいます。
一方で冷水機の場合は、水道水を使用しているためランニングコストを大幅にカットできます。
運営側の負担軽減を実現させながらも、
というニーズにしっかりと応えられる存在なのです。
冷水機のメリット・デメリット
続いては、冷水機の魅力や懸念点に迫ります。
冷水機を設置すると、どのようなメリット・デメリットがあるのかチェックしていきましょう。
冷水機を設置するメリット
冷水機を設置する最大のメリットは、やはりランニングコストがほとんどかからない点です。
というのも、冷水機を購入するケースを考えてみると、購入後にかかる費用は電気代と水道代程度です。
ウォーターサーバーのように毎月水代がかかることはなく、ほとんど費用は発生しません。
冷水機を設置するデメリット
冷水機のデメリットとしては、2点挙げられます。
まずは、安全面において懸念点があることです。
冷水機は基本的に水道水を使うため、「水道水は飲みたくない」と抵抗を感じる人も少なくありません。
また、不特定多数の人が蛇口付近に顔を近づけて飲むスタイルについて、不快感を抱く人もいます。
そういった理由から、冷水機の利用者が減少傾向にあることは事実です。
いくらランニングコストが抑えられるとはいえ、せっかく設置してもほとんど利用されなければ意味がありません。
設置したい場所での需要があるかどうかを、あらかじめきちんと調査・検討する必要があるでしょう。
また、冷水しか利用できない点もデメリットと考えられます。
冷水と温水の両方が、利用できるウォーターサーバーが普及しているこのご時世なので、冷水機は利便性の面で劣っていることは否めません。
冷水機の種類と仕組み
冷水機には、主に「卓上型」と「床置き型」の2種類があります。
それぞれの特徴や仕組みは以下の通りです。
卓上型
卓上型冷水機は、高さがコンパクトなためテーブルなど台の上に乗せて利用するスタイルが一般的です。
水道管に直結しているタイプと、内部にあるタンクに水を貯蔵するタイプがあります。
使用する際には、ボタンを押す、あるいはコップでレバーを押すと冷水が出る仕組みです。
店舗などで業務用として利用されることはもちろん、ご家庭でも導入しやすいサイズです。
床置き型
床置き型冷水機は、高さがあるため床に設置して利用します。
こちらのタイプはすべて水道管に直結しており、蛇口近くのボタンを押す、あるいは床付近にあるペダルを足で踏むと水が出る仕組みです。
サイズが大きく形状が特殊であることから、家庭用としてはほとんど普及していません。
公共施設など、人が多く集まる場所で活躍している機器です。
卓上型・床置き型冷水機のおすすめ商品
それでは、実際にどのような商品があるのかチェックしていきましょう。
以下では、卓上型と床置き型それぞれのおすすめ3選をご紹介します。
卓上型冷水機3選
まずは、コンパクトな卓上型冷水機を3点ピックアップしました。
なかにはご家庭にも導入しやすいタイプもあるので、ぜひチェックしてみてください。
日立ウォータークーラー(卓上)
こちらの冷水機はタンク型で、自分で水を給水して使うタイプです。
冷水のみ対応のウォータークーラーが多いなか、この機種は冷水だけでなく温水にも対応しています。
とはいえ、ウォーターサーバーのように「冷水 / 温水」を両方利用できるわけではありません。
夏場は冷水、冬場は温水というように切り替えができるしくみになっています。
この冷水機のメリットは、温度を3段階に調節できることです。
冷水は約5℃/約10℃/約15℃、温水は約75℃/約85℃/約90℃に設定できます。
名称 | 日立ウォータークーラー |
サイズ | (幅)30.0cm(高さ)60.0cm(奥行)50.5cm |
タンク容量 | 18リットル |
価格相場 | 9万円程度 |
ナカトミ(NAKATOMI) ウォータークーラー(卓上)
こちらもタンク型の冷水機で、サーバー上部にクリアなタンクが備え付けられています。
水の残量がひと目でわかるので、注水のタイミングがわかりやすい点が大きな魅力です。
また、卓上型ウォータークーラーのなかでは最も安い価格帯で、2万円程度で購入できます。
リーズナブルでありながらしっかりとした作りになっており、コスパが高い冷水機をお探しの方におすすめです。
名称 | ナカトミ(NAKATOMI) ウォータークーラー |
サイズ | (幅)37.6 cm(高さ)68.1 cm(奥行)25.2cm |
タンク容量 | 18リットル |
価格相場 | 2万円程度 |
Panasonic 卓上ウォータークーラー
こちらは、水道直結式の卓上型冷水機です。
温度調節の幅が広く、5℃~18℃まで可変式になっています。
水道に直結しているため、わざわざタンク内の残量を確認して水をくみ入れる必要がありません。
価格は9万円程度と水道直結型のなかでは割安で、気軽に導入できる点もうれしいポイントです。
名称 | Panasonic 卓上ウォータークーラー |
サイズ | (幅)30.0cm(高さ)60.0cm(奥行)45.0cm |
タンク容量 | 18リットル |
価格相場 | 9万円程度 |
床置き型冷水機3選
続いては、床置き型の冷水機を3点ピックアップしました。
それぞれ仕様が異なるため、特徴を細かくチェックしていきましょう。
日立ウォータークーラー(床置き)
こちらは、水道管直結で自動洗浄機能付きの床置き型冷水機です。
価格は13万円超えと決してリーズナブルではありませんが、自動洗浄機能のおかげで機器内部のメンテナンスを楽に行えます。
足でペダルを押して水を出すフットペダルと、飲み場の横に押しボタンも付いており、誰でも簡単に使える点も魅力です。
多くの人が訪れる施設などで大変重宝するでしょう。
名称 | 日立ウォータークーラー |
サイズ | (幅)34.0cm(高さ)103.0cm(奥行)34.6cm |
タンク容量 | 2リットル |
価格相場 | 13万円程度 |
ナカトミ(NAKATOMI) ウォータークーラー(床置き)
こちらも、水道管直結の床置き型冷水機です。
ボタンをプッシュして水を出す方法と、グラスフィラーと呼ばれる蛇口のような部分から水を出す方法の2種類の使い方ができます。
自動洗浄機能が付いていない分、先ほどご紹介した日立のウォータークーラーに比べて低価格になっています。
ただし、ご自身で通水によるメンテナンスを行う必要があるほか、フットペダルが装備されていない点を考慮する必要があるでしょう。
名称 | ナカトミ(NAKATOMI) ウォータークーラー |
サイズ | (幅)33.0cm(高さ)125.0cm(奥行)38.0cm |
タンク容量 | 3.6リットル |
価格相場 | 7万円程度 |
Nishiyama(ニシヤマ) マイフレッシュウォータークーラー(床置き)
こちらは、水道管直結で自動洗浄機能付きの床置き型冷水機です。
7万円台とリーズナブルな価格帯でありながら、自動洗浄・フットペダル付きとコスパ抜群のうれしい仕様になっています。
もちろん押しボタンでも水が飲めるので、誰にでも使いやすい点が大きなメリットです。
全自動コーヒーメーカーやエスプレッソメーカー、スチーマーなどを手掛けている企業なので、性能面は安心といえます。
名称 | Nishiyama(ニシヤマ) マイフレッシュウォータークーラー |
サイズ | (幅)36.0cm(高さ)94.7cm(奥行)32.5cm |
タンク容量 | 3リットル |
価格相場 | 75,000円程度 |
冷水機の衛生面に関する注意点
冷水機を安全に使用するためには、メンテナンスに関して気を付けるべきポイントがあります。
購入して使用する前に、水道管に直結しているタイプとタンクに水をくみ入れるタイプの、それぞれの注意点をしっかりと押さえておきましょう。
水道管に直結しているタイプの冷水機の場合
基本的な注意点は、ノズルや受け皿の清掃をこまめに行うことです。
水以外のものが詰まると故障の大きな要因になるので、常に清潔な状態を保つことが大切です。
また、もしも自動洗浄装置が付いていない冷水機の場合は、毎日使い始める前に通水をしましょう。
具体的には、使用する30分程度前に蛇口から5分間水を出しっぱなしにします。
さらに、最低でも月に1回はタンク内の洗浄を行う必要があります。
その際は、必ず電源プラグをコンセントから抜いてから以下の手順で作業をしましょう。
- 前面パネルを外す
- 水抜口キャップを開け、出てきた水はバケツなどで受け取る
- 5分程度ペダルを踏み続ける
- 水抜口キャップを閉じる
- 前面パネルを取り付ける
上記の手順は基本的な洗浄方法ですが、メーカーの仕様によって細かい内容が異なります。
機器に付属している取扱説明書にしたがって洗浄作業を行いましょう。
タンクに水をくみ入れるタイプの冷水機の場合
最も大切なポイントは、タンクに入れた水は毎日必ず取り替えることです。
忘れてしまうことがないように、最後使い終わったら中の水を捨てるなどルールを決めて使うようにしましょう。
また、ノズルや受け皿、タンクなど部品の洗浄をこまめに行うことで、長く安全に利用できます。
水とはいえ放っておくと雑菌の繁殖につながるため、メンテナンスを怠らないようにしましょう。
初期費用をかけたくないなら!レンタル型冷水機3選
冷水機について紹介してきましたが、初期費用をあまりかけたくない方におすすめしたいのが、レンタル型の冷水機です。
ここでは、そんなおすすめのレンタル型冷水機を3つに絞って紹介していきます。
ぜひ参考にしてくださいね。
楽水ウォーターの「冷水機プラン」
レンタル代 | 2,980円
6年目〜2,500円 10年目〜2,000円 |
初期費用 | 12,000円 (自分で設置する場合は5,000円) |
解約金 | 残り契約月数×レンタル料の40%
(3年未満の場合) |
搭載機能 | 自動メンテナンス機能 |
まず1つ目に紹介するのは、楽水ウォーターの「冷水機プラン」です。
こちらは、初期費用として設置料金が12,000円がかかります。
ですが、自身で設置する場合は5,000円だけで済むので、初期費用をなるべくかけたくない方は頑張って設置するといいでしょう。
また契約期間には縛りがあるため、3年未満で解約してしまうと解約金がかかります。
たとえば1年で解約する場合は、3年に達するまでに残り24ヶ月残っているので、42,912円が解約金です。
そのため、長く契約をしない場合は注意が必要となります。
ウォータースタンドの「ナノラピア トリニティ」
レンタル代 | 3,500円〜
(プランによる) |
初期費用 | 0円 |
解約金 | 10,000円
(1年未満) |
搭載機能 | 自動節電モード
3段階フィルターシステム |
続いて、2つ目に紹介するのは、ウォータースタンドの「ナノラピア トリニティ」です。
冷水はもちろんですが、常温水も飲むことができます。
こちらの特徴は、3段階のフィルターにより、不純物を可能な限り取り除くこと。
そのため、安心して安全でおいしい水を飲むことできます。
また契約年数が長ければ長いほど、月々のレンタル料金がお得になっていくので、おいしい水をお得に飲み続けたい方におすすめ。
さらにウォータースタンドでは、メンテナンスとフィルター交換を6ヶ月に一度、訪問で実施してくれます。
万が一故障をしてしまった場合も、修理や交換をしてくれるので、安心して使用することができるでしょう。
ウォーターエナジーの「日田天領水」
レンタル代 | 無料 |
水代 | 3,132円(10L×2) |
解約金 | なし
(サーバーを返却する際の返送料のみ) |
搭載機能 | 節電モード |
最後の3つ目に紹介するのは、ウォーターエナジーの「日田天領水」です。
今回紹介している3つの中で、唯一これだけが天然水になります。
この冷水器の1番の特徴は、提供されている天然水です。
日田天領水は、天然の活性水素が含まれています。
この活性水素は、世界で注目されている水で、同じように活性水素が豊富に含まれているドイツの「ノルデナウの水」では、奇跡の水とも呼ばれているほど。
味も日本人の味覚に合う軟水のため、おいしく感じる方が多いのでしょう。
また、安心して飲めるよう蛇口が毎回交換できるなど、雑菌が繁殖しにくい仕組みになっています。
さらに解約金すらもかからないため、ご家庭はもちろん小規模オフィスでも、気軽にはじめることができるでしょう。
正しい知識を持って冷水機を利用しよう
冷たい水をリーズナブルに利用できる冷水機は、業務用としてまだまだ多くの需要があります。
「とにかく安く冷たい水が飲みたい」「水道水を冷やして飲める機器がほしい」という場合には、ご家庭への導入もおすすめです。
ぜひここでご紹介した内容を参考にしながら、正しい知識で冷水機を活用しましょう。